目が良い人は老眼になりやすい、という
私はかなり視力がいい方だ。視力検査では常に1.0~2.0をいったりきたりしていて、眠かったり体調がイマイチだったりすると少し下がり、悔しくて遠くのものや緑を見たりすると少し上がる。当然眼鏡もコンタクトレンズも使わず、裸眼のままで40年ちょっとを過ごしてきた。
ファミコンもスーファミもインターネットも使い倒してきたが視力に影響はなかった。「目が良い人は老眼が早くきて進行しやすい」という話はさんざん聞いてきたけれど、20年以上PCを、10年ほどスマートフォン(以下、スマホ)を触りまくっても大丈夫だった。
それが、今はしっかり老眼に悩まされている。
きっかけはスマホだった。TwitterやFacebookを見ているとなんとなくぼやけているように映る。PCの文字のふちがにじむ。疲れ目や眼精疲労のたぐいだろうと思い、睡眠をきちんと取れば改善されると信じて疑わなかった。
しかし、寝ても寝ても変わらない。自分に老眼が忍び寄っているとは思っていないので、少しスマホを離して見るなどは試さない。そのうち本や雑誌で小さな文字を追うのがつらくなってきた。疲れ目ではなく、文字を追うことで目が疲れるのだ。
目と目の間を押さえてふと思う。これは老眼っていうやつなのではないか?
電車の中でそっとスマホを遠ざけた。少しピントが合う気がした。
その後、眼科に行って視力を測ってもらい、立派な老眼の出来上がりである。PCを使う仕事なら老眼鏡(リーディンググラス、とも言う)を作った方がやりやすいでしょうね、とアドバイスされたので素直に眼鏡を作った。眼鏡をかけてみて驚いた。クリアでくっきりした文字の世界に戻れた。世の中はこんなにはっきり見えていたんだっけ!
少し遠視の気があるようで、今でもしっかり遠くの文字は読めるのに、老眼の進行というのは異様に早く、あっという間に影響範囲が大きくなっていった。まずスマホでKindleのマンガを読むことができない。文字が小さすぎて読み取れない。次に文庫本をさくさくと読みこなせない。老眼鏡をかければ読めるが、仕事以外で眼鏡を使うのにどうも抵抗感がある。
そして、一番悲しいのが、化粧品のラベルに書かれた型番や取り扱いの文言を読み取れなくなりつつあることだった。05? 06? 08? 文字が小さすぎてわからないなんてことが我が身に起きるとは……。しょうがないので、スマホのカメラで撮影した画像を拡大している。
これからも裸眼では世界が見えづらくなっていく。先日は小さく書かれたURLが読み取れなかった。悔しい。
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