第49話  桜道

君がいない何度目かの冬 と誰かが歌った


私にとって 彼がいない30度目の冬


そう気づいたとたんに 立ちすくんでしまい


いきなりの開花に茫然の春


また桜が 彼はいないのに


本当は いなくなったわけじゃない


目に見えないだけ いつも隣にいる


いっしょに歩いても 足跡はつかない


でも 寂しくはないよ


今年も桜吹雪の道を ふたりで歩くんだ


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タイトルを決めなくちゃ チェシャ猫亭 @bianco3

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