柔らかくて

どうしてだろう

朝、窓辺に揺れるカーテンに

その先に見える向日葵の花の色に

風に乗った土の匂いに

私は絶望を覚えるのだ

変わらない世界への諦めと

変わっていく自分への焦燥と

もう思い出せない記憶との摩擦が、こんなにも柔らかくて

ゆっくりと私を安んずる平穏が

私を水の中に溶かし込んでいくようで

私の与り知らぬところで変わりゆく世界と

私の中の変わりようのない醜悪が

こんなにも無関心に私に寄り添ってくれるようで

私を許してくれるようで

私は

私が

私を生きていく今日に

ほんの少しだけ、期待をしているのかもしれない


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