ひなげしの形

それは雪の精の如き

かそけき汝を如何せん

触れた端から溶けてゆく

ほんの僅かに濡れたはだ

舌を這わせて確かめる


それは月の精の如き

あやしき汝を如何せん

滴り落ちる白光の

とろりとした淫靡な影に

指を絡めて掬い取る


それは花の精の如き

かなしき汝を如何せん

グラスに生けた一輪の

ひなげしの形とその色に

唇の味を思い出す

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