早朝
残月を溶かすように風は吹き、
氷柱を透かして瞬く星は消えて行った
遠く山の景に煙は立ち、
時を告げる光が淡く濁っていく
梅花の香りが、掌から逃げていく
夢に見た微笑みが、みるみると翳っていく
呆然とする私を、どうか笑わないで
きっと夢の中で、綺麗な春を見ていたはずなの
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