口吸いは罪の味(巻五「口吸とて舌喰切事 くちすうとてしたくいきること」)

 江戸は吉原の散茶町二丁目の摂津国屋つのくにやに、小太夫という遊女と七助という妓夫ぎうがいた。

 二人は密通していた。


 ある時、戯れのあまり、七助は口吸いの際に小太夫の舌先三分ばかりを噛み切ってしまったので、公儀に訴えられた。


 七助は牢に入れられ、小太夫は養生した。


 延宝八年(1680)の事件である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る