セックス心中(巻四「弟兄の妻を盗出し死する事 おととあにのつまをぬすみだししすること」)

 大坂のある者は、兄の妻の下に通っていた。

 そのことを兄も知っていて、持て余していた。


 ある時、弟と兄の妻の二人は、夜になってから、生玉いくたまの池のみぎわに布団を敷き、弟は女の上にのしかかると、一物を挿入したまま女の喉をかき切った。

 そして自分の喉も刺し貫いて、心中したのだった。


 誠に己ら二人だけではなく、親一門にまで恥辱を与えてしまう因果のほどこそ、厭きれるばかりである。

 最近の事件である。

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