女になった下男(巻四「下疳にて玉くき落女となる事 げかんにてたまくきおちおんなとなること」)
賀茂の松下主殿という人の召使いに三蔵という下人がいた。
この男、下疳を患っており、患部が爛れて汚らしいので、主人にも傍輩たちにも疎まれ、暇を出された。
その六、七年後、一人の女が子を抱いて松下主殿の屋敷にやって来た。
「殿に会わせていただきたく」
そう云うので取り次いでやって、殿も対面したのだが、見知らぬ女である。
「そなたは誰か」
「恥ずかしながら、私めは三蔵でございます。下疳にて一物が腐れ落ちまして、その後は女になったのです。月の物さえありますので、夫を持ちまして、この子を産みました。いかなる因果でしょうか」
女はそう語り、嘆き悲しんだ。
このような病は昔もあったそうだ。
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