シーズン2 新生ヴェルモンティア帝国

プロローグ ローレリウス帝国、陥落

 城の中に入ると近衛騎士や帝国兵達は、ロアが通る道に剣を地面に突き刺して戦闘意思を無くしていた。この方法が、帝国兵が敗北した時にする敬意なのだろうか・・・?

「少し、聞いても良いかな?皇帝陛下の居場所まで、案内してくれるかな?」

 頭を下げた向こうの執事に案内をしてもらい謁見の間の前に来た時、中から男の発狂した声と共に聞いた事のある女性の声が聞こえて来た。

「――貴様ぁ‼よくも俺を騙しやがって、命では無くカラダを貰ってやるぅ‼」

「それは、ロア・ヴェルモンティアという戦士を甘く見たロワルド・ローレリウス陛下が悪いのですよ。私は、ただ――友好国として扱えば良いと」

「――黙れ、だまれ、ダマレェェェェエ‼」

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 ロアは「ダマレェェェェエ‼」という大声と共に扉を吹き飛ばして中に入ると、いつぞやのユミレの姿が目に留まった。

「――3、2、点火用意、発破!」

「総員、突撃!皇帝を取り押さえろ!」

 あ、ユミレ。発見・・・したけれど、私情は後にしておこうか。

「な、ナンダ⁉貴様らは・・・ッ!」

「お初にお目にかかります、俺はヴェルモンティア領現当主のロア・ヴェルモンティアと申します。今回、このような形でお邪魔をさせてもらった理由といたしましては、貴国が我が領海と領地に奇襲をしたので参りました。つきましては、貴君の命――いや首を頂きにまいりました」

 ユミレは俺を見て微笑んでいたが、ロワルドの方は発狂していた。原因は、察しが付く。

「俺の首だと⁉俺じゃなくて、貴様――ロア・ヴェルモンティアの首が欲しいだけだぁあ‼」

 壁に飾っていた両刃剣を振り上げて、走って来るのを危険と察知した小隊員3名が武器を取り上げたうえで転ばせた。

 ロワルドを拘束して立ち上がらせると同時に、玉座の背後にある窓を割って来たベルフィティアとレコンが率いる第二小隊と第三小隊がロアの周囲に集まった。

「お怪我は御座いませんか、ロア様」

「お兄様を怒らせるなんて、私が許しません!」

「お、お前等・・・!どうやってここに来た⁈戦線はどうした⁉」

「――クソ虫ら《コルトリア王国の弱小領》に、我が帝国が軍門に下るだと・・・⁈解せぬ・・・!」

 言ったが最後で、罵ったロワルドはロアのハンドサインによってレコンのP90で止めを刺されて絶命した。

「あ・・・」

「えーっと・・・、呆気なかったですね」

「あ、ああ・・・。正直、呆れているよ。忘れるところだった、レコン。ユミレを拘束して屋敷の地下牢獄に幽閉しておけ。それと、俺が相手をした勇者3人も別の牢獄に拘束しろ」

「御意」

 その後、ロワルド・ローレリウスの首を切り取り帝国全土へ首を取った事を公布した。

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 5日後、世界中に号外として公布された事で完全にロアの名前が世界中に知られることになった。

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