エピソード26 フロントライン《前線》
ローレリウス帝国への砲艦外交には今回、望まぬ建造をしたヴェルモンティア級戦術航空母艦2隻を後方支援に用意している。ヴェルモンティア級戦術航空母艦の詳細は、全長350メートルで全幅85メートル基準排水量10万2千トンと巨大であり、機関には当初予定していた核融合推進装置では無く、膨大な魔力を生産し続ける魔導永久機関を搭載しているので最大速力36ノットから4ノット増速して40ノットを記録した。また、武装には
ロアは短艇でヴェルモンティア級戦術航空母艦の1番艦ヴェルモンティアに移動すると、一応艦載機であるAH―60L《ブラックホーク》に防弾チョッキと背嚢、ヘルメットを装備して乗り込んだ。
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先に先行していたレコンが率いる強襲揚陸部隊は、港湾街でローレリウス帝国兵や盗賊達と戦闘をしていた。
「第二小隊は東に展開しろ、第三小隊は陽動に回れ」
「「了解」」
ゲリラ戦法や奇襲などの戦略に遭遇しながらも、フロントライン《前線》で戦線を築いていた。すると、空からブラックホークの駆動音が聞こえ始めた。
機内では、降下ロープを掴んだまま待機しているロアの姿があった。
「ハードランディングを許すから、派手に着陸してやれ」
『了解』
ブラックホークが出力を少しだけ下げてハードランディングをした直後、ロアはMK18とバリスティックナイフを装備して降りると同時に機体が飛び去って行った。
『GOOD LUCK《ご武運を》』
ロアは静かにだが駆け足でレコンの部隊に合流した後、共に道を切り開いていった。
「――ッ、ロア様⁈」
「よッ、レコン。状況は?」
「最悪ですよ、弾薬が少なくて膠着しているのですから・・・」
「そう言うと思った、ほれ」
予備で持ってきた背嚢を投げ渡されたレコンは、それの中を見て驚いた。
「だ、弾薬箱を丸ごとですか⁉」
「ああ。さてと、観客が揃ったようだな――パーティーを始めようか」
するとロアはいきなり発煙筒を着火させて、敵兵に投げつけて無線で指示を出した。
「こちらロア、煙が流れている方向に向けて空爆支援を頼む。オレンジの煙だ」
『了解、到着まで6分』
無線機をレコンに放り投げて、「空爆まで6分!それまで耐えられるか?」と伝えた。
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銃撃音と共に魔法展開音とが織りなす戦場でロアとレコンが指揮する第一小隊は、ゲリラ戦法で向かってくるローレリウス帝国兵と激戦の市街地戦を展開していた。
「
「――先遣隊は9時の方向に援護しろ、レコン!」
「はい?」
「友軍を要請した、3分待て」
「了解!」
MK18を撃ちながら、ロアは考えていた。
クソッ・・・、このままだと消耗戦だな。こっちの数は60人だが、向こうは1万規模の軍隊――最悪だ。
銃声が鳴り響く中、無線が鳴った。
『ラプターより地上部隊、空爆を開始する。煙を視認した』
「ロアだ、艦載機部隊は空を頼む。ラプター1は亜音速で高度3500メートルを維持しながら空爆しろ」
『ラプター1、了解』
『直掩機隊はこれより、空域確保に移る』
ヴェルモンティア領空軍基地からやって来たB―1B《ランサー》を直掩していたヴェルモンティア級戦術航空母艦1番艦ヴェルモンティアと2番艦ルドリアから発艦したF―14B《トムキャット》6機とF―4B《ファントム》6機が交戦機動に入った後、ラプターのウェポン・ベイが開き第二次大戦時に使われていた500キロ爆弾を投下していった。
『BOMB DROP READY,NOW』
地面から火柱や黒煙が上がる中、待機していた俺達は進行していった。
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