エピソード25 艦対空戦闘
ヴェルモンティア領にある天然洞窟を改造して建設した軍港から大和型3番艦である
「ろ・・・艦長、
「そうだな、確認しないと・・・」
ロアは無線を手に取り、〈こちら旗艦信濃、各艦。対空警戒を厳とせよ〉と発令した。
ちなみに、史実では艦を動かす乗員が3000人規模なのに対して、異世界には魔法や魔導回路という物がある。そのおかげで3000人も要らずに艦長職や各班長、配食係といった少員制度になった。大和型の場合は約3000人規模から、20人規模にまで縮小した。
「左舷に敵、
「艦対空戦闘、配置に付け!」
『艦対空戦、用意良し!』
三式弾を装填した大和型4隻の主砲が左舷に向き、撃つまで主砲塔周辺にある機銃員は艦内で待機していた。
「敵、さらに接近!主砲射程に入った」
心音が高鳴る中、伝声管から発砲許可が入って来た。
『撃ち方、指命』
「――艦長?」
「まだだ」
その時、観測員が叫んだ。
「急降下!――ッ、直上‼」
「回避行動‼」
「取舵一杯、急げぇ‼」
そう、ロアはコレを待って居た。相手から攻撃してきたのならば、正当防衛が筋に通るからだ。
「主砲、撃ち方始め」
「三式弾。撃ち方、始め」
4隻の大和型主砲と長門型2隻の砲口が、火を噴いたのを合図に準備していた機銃員達が撃ち始めた。
「撃っちゃえ、撃っちゃえ!」
「次弾装填。用意良し」
「ファイア‼」
すると観測員が叫んだのと同時に、ブレス被弾を告げる警報機が鳴り響いた。
「後部艦橋付近に、ブレス被弾!」
「――帝国港湾設備を発見!距離3キロメートル‼」
艦が左右に揺れる中、徐々に水平線の向こうに見えて来た港湾設備を見つけた観測員がすぐに発光信号を出しに行った。
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満身創痍で帝国港湾内に入ると、信濃から発艦した零式水上偵察機から報告が入った。
『陸に砲兵を発見、砲撃を仕掛ける模様』
「・・・これって、罠ですよね?」
「射撃指揮所、艦砲射撃用意。全砲門――港湾設備を薙ぎ払え!」
艦内無線を手に取り、射撃所に指示を出した。
『誤差修正完了、三式弾を装填した』
「・・・撃ち方、始め」
『――撃ち方、始めぇー!』
ロアが指示を入れている間に、レコンは輸送艦であるVMA―01とVMA―02に移動して強襲揚陸の準備を指示していた。
「SBT―22《ガンシップ》とLCVP《強襲揚陸舟艇》を用意して!艦砲支援中に揚陸するよ‼」
「「「はい‼」」」
艦砲射撃を終えたぐらいにロアは、VMA―01に揚陸指示を照明弾で出した。
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