プロローグ 史上最強の戦艦を舐めるな
ヴェルモンティア領沖を2隻の米戦艦が航行していた。
「ワットソン様、今回もヴェルモンティア領の戦艦が居るという事が有りますので。逃げる事を薦めます」
「だまれ――俺に命令するな!憎き黄白人種の作った戦艦は、コンゴウとかいう戦艦を乗って居るンだぞ!帝国海軍の新造艦であるモンタナ級2隻にかかれば――!」
「敵艦発見!あれは・・・、コンゴウ型では無いです‼」
「なんだと⁈貸せ!・・・――嘘だろ」
見張り員から半ば強引に双眼鏡を借りたワットソンが見た艦影は、旧日本海軍が保有していた世界最強で最大の戦艦である大和型2隻だった。
「か、海域離脱!」
「取舵、一杯‼」
その頃、大和型戦艦1番艦である大和の艦橋ではモンタナ級の存在を確認したのと同時に砲戦準備をし始めていた。
「全砲塔より、射撃許可申請が来ました」
「分かった。目標、帝国戦艦モンタナ級。撃ち方、始めぇ!」
「撃ち方、始め‼」
直後、大和型戦艦と言えば五十口径四十六センチ三連装主砲塔3基9門が火を噴いた。それに続いて2番艦の武蔵も砲撃を開始した。
「初弾、全弾命中確認」
「再装填は徹甲弾、バイタルパートを狙い撃て」
「了解、射撃観測所より諸元が来た」
「撃ち方、始めぇ!」
「ぅてぇー‼」
18発の徹甲弾が宙を舞い、モンタナとオハイオの艦上構造物に刺さっていった。
「ば、馬鹿なアァァァァ‼‼」
大爆発を引き起こして慟哭の深海に沈んで行くモンタナの艦橋にいたワットソンは、他の兵士達や艦と共に逃げる間もなく絶命した。
「敵艦、爆沈確認。周囲に敵艦影、反応なし」
電探を見ていた大和の乗組員が、腕組をしているレコンに報告した。
「帰港する、回頭180度」
「――ヨーソロー、面舵一杯」
その後、帰港した2隻の艦は乾ドッグに入渠した。
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ヴェルモンティア領沖で艦隊決戦中、ロアは学院の寮で寛いでいた。
「お兄様、起きていますか?」
「ああ、起きているよ。ベル、どうした?」
「先程、レコンから報告有りましたよ。ヴェルモンティア領沖で帝国の新造戦艦を、2隻爆沈させたらしいですよ?」
「そうか、分かった。ありがとう」
「どういたしまして」
するとベルが思い出したように、1枚の手紙を卓上に置いて行った。
「それと、もう1枚。造船完了という内容で、来ていますので。あーっと、ここに置いておきます」
「ああ、分かった」
ベルが部屋を出て行った3分後、卓上に置かれた手紙を読み始めた。
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