エピソード13 学年最強の称号
30発を全て撃ち切ったロアはすぐにキラーソードとブラッケリアを抜いて、二刀流に切り替えた。
「さぁ、お前の罪を数えろ」
某ライダーに出て来たセリフを言ったロアは、牙突10式という刺突からの二刀両断をミーナの剣に浴びせるとそこから距離を置かずに逆手持ちに切り替えてミーナの横を通り抜けると同時に斬撃をした。それに対して体勢を崩したミーナは迫ってくるロアの剣を受け止めようとせずに片手を地面につけてもう片方の手で欠けた剣をロアの目の前に投げつけて予備で持っていた短剣に手を伸ばして抜剣した。
剣同士がかち合った時に散る火花が幻想的に飛び散った。
「お兄様……!」
観客が見守る中、ゆっくりと倒れたミーナの背後にはロアがまるで戦士のような佇まいで立って居た。その光景に興奮した観客や教師たちが大歓声を上げた。
ロアは2本の剣と刀を鞘に納めて「素晴らしい剣術だった、筋がいい」と起き上がったミーナに囁いた。
大歓声の中、理事長自ら演習場内にやって来て編入許可証をロアとベルフィティアに手渡した。
「ロア・ヴェルモンティア並びにベルフィティア・ヴェルモンティアの編入を認めます。それに加えて学年最強の称号をロアに授けます、あ。もちろん、ベルフィティアさんの方には魔術士官をオススメします!」
今までの学年最強の称号はミーナさんだったが、ロアに敗れたミーナは自らの意思でそれをロアに譲ると言ったそうだ。
「――ところで、ロア・ヴェルモンティア君?貴男の得意属性は、一体何かな?」
演習場から出ると学院生徒達に囲まれたが、新聞係のような格好をした女生徒が質問を投げかけて来たので「銃剣戦闘術と近接格闘戦術、得意な魔法は7属性だ」と答えた。
全属性が得意だと答えたら、周囲が驚愕していた。フム、この世界では珍しいらしい。
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翌日、王立学院マナディルアが管轄している寮で寛いでいるとベルがノックしてきた。
「お兄様、起きていますか?」
「ん?ああ、ベルか?……どうした?」
その時、爆風が王立学院マナディルア――いや王都コルトを襲った。
緊急事態を知らせる鐘が鳴り響き、遠くの方から大砲のような音が聞こえて来た。
「ベル!無事か⁉」
「はい、お兄様。無事です!しかし、周りが……」
「ああ、そうだな。――ベル、今すぐにレコンに救援依頼を伝えて来い。俺は理事長室に行く」
「分かりました、お兄様」
理事長室に行くとミーナと理事長が頭を悩ませていた。
「失礼、ロアです。なんですか、あの爆発は!」
そこで聞かされた話は、これから始まる新たな物語の序章に過ぎなかったのかもしれない。
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