エピソード12 銃は剣よりも強いって、異世界で立証できる!
MV―22が王立学院マナディルアの校庭に着陸すると中から士官候補生50人が出て来た。彼女らは目の前に広がるマナディルアの外観を見て唖然としていた。
「お兄様!」
「ただいま、ベル。負傷者は居ないよ、ただ……ノースカリア領について詳しく調べる必要がありそうだ」
「こ、これは一体……?」
その後、出迎えた理事長や教師たちの手を借りて校舎内へと入って行く士官候補生達の後姿を見てロアは、安堵した。
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数日後、理事長室に居たロアとベルフィティアは理事長に感謝されていた。
「士官候補生50人が興奮気味に言って居たわよ、ロア君の奮闘劇を」
「いや~、まさか。兵士があんなに弱いとは」
「何言っているのよ、ノースカリア領の兵士はあれでもベテランぞろいよ」
……え?――じょ、冗談でしょ?
「アレがベテランですか⁉」
「ええ、そうだけどって……なんで?」
「陣形が雑でしたよ‼あんな陣形だと、背後から奇襲されますよ。いずれ!」
敵を包囲しても背後から襲われたら、壊滅は免れない。それがノースカリア領の戦術なのか?
5分後、帯剣した士官候補生50人が理事長室に入ってきて、ロアに感謝を述べた。
「先程は助かった、有難う。ここに居る50人を代表して礼を言う」
代表の彼女はミーナ・ロレシアというらしい、ちなみに王都コルトから北上した場所にあるロレシア公国からの留学生らしい。
「ミーナ・ロレシアと言うわ、よろしく。それであなたの事を聞きたいのだけれども?」
「ああ。名乗りが遅れた、ヴェルモンティア領当主のロア・ヴェルモンティアだ。こっちは妹のベルフィティア・ヴェルモンティアだ。まぁ、この学院に来た目的は友人を作るために来た」
それを聞いた理事長は、何を勘違いしたのか早とちりをしてロアとベルフィティアに編入試験網込み書類を提出した。
ま、結果的には良かったのだが……。
編入届にサインをし終えると、理事長にミーナとロアとベルフィティアの3人が演習場に連れていかれた。質問すると、ミーナを試験官として実技試験を早速行うと言い出した。
「内容は簡単です、ミーナの戦意を無力化する事です!ちなみに、彼――ロア・ヴェルモンティアの戦術は複雑らしいですよ」
演習場内に設けられた観客席には、ロアとベルフィティアの実力を見ようと集まった全学年の女生徒達が居た。暇すぎない?
「それでは、始め!」
ベルフィティアは合図と共に術式を多重展開し始めたのだが、遅すぎたのか距離を一瞬で詰めて来たミーナに術式を破壊されて戦闘不能判定になった。この間にロアはAUGに五・五六ミリ30発マガジンを装填してチャンパーを引いていつでも撃てるようにしていた。
「銃は剣よりも強い、これは俺の故郷のことわざだ」
ロアの構えたAUGに狙われている事を察したミーナは素早くベルフィティアの元を離脱してジグザグに避けながら向かってきた。
「なるほど、ステルスのように攻める気か……。だが、甘い」
ミーナの足元を狙う様に銃口を少し下げてフルオートで撃ち始めると、それに気が付いたミーナが踊るようにそれらを躱していく。
「こいつはどうだ?眩しくて、見えないだろ?ハハハ‼‼」
ミーナの躱した場所に向けてピンを抜いた
「ほら!ほら‼――どうした?手も足も出ないか?」
「……クッ」
観客席からは歓声や「ミーナ様、しっかりなさってください!」という声が聞こえて来た。
まだ、本気じゃないのだが?
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