エピソード07 予感的中とロア流銃剣術
「ロア様、こちらはクロスリア家のご令嬢であるクリス・クロスリアと申します」
「そうか、分かった。レコン、冒険者達にお湯を用意してあげなさい」
「はい。失礼します」
レコンが部屋を出ていった後、プラチナの髪色をして上品そうな少女が頭を下げた。
「ロア・ヴェルモンティア様、私はクロスリア家のご令嬢であるクリス・クロスリアと申します。本日は、依頼があり参りました」
「依頼ですか?まさか、掃除案件ですか?」
「いえ、そうでは無く。……あ、どうも」
ロアの差し出したティーカップを受け取り、紅茶を啜り飲み本題を話し始めた。
「ふぅ……、美味しいですわ」
「それは良かった、――ところで、話というのは?」
「最近、クロスリア家のメイド達が行方不明になっているのです。もちろん、給料不足からなるストレスでは無いですよ?」
「フム……、という事は。誘拐もしくは殺人の可能性が高いですね――」
その時、冒険者達が部屋に入って来たので姿を一目見ようと目を逸らすと同時に驚いた。全員が女性だったのである。
「失礼します、ロア様。こちらの方々は……あっと。刺激が強すぎましたか」
「レディーでしたか。あははは‼なんという勘違いを!」
その後、なぜか会話が弾んで全員が冒険者に変装したメイドさんや執事さんだった。
「――そうでしたか、いや~……てっきり男性の方かと思いましたよ」
その時、屋敷内に警報の鐘が鳴り響いた。
「ロア様!敵襲です‼」
「レコン、敵は?」
「はっ。敵はクロスリア家の次男と名乗る男とその取り巻きですが、全裸にされた女性が鎖でつながれております。故に――」
「手が出せないのか……」
「はい」
次男という言葉を聞いたクリスは手で口を押えて、窓から離れた。
なるほど、嫌な予感は的中したらしい。
「レコン、暗殺部隊に連絡しろ。次男と名乗る男の相手は俺がする、そのかわりに女性達を救出しろ。それとついでに、取り巻きの男性達は殺して構わない」
「承知しました」
すぐに怯えているクリスの頭に手を置き、「大丈夫だよ、君達の身柄は僕が預かっているから。任せてよ」とだけを言うと
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「クロラージ様、ご勘弁を」
「うるさい!おい雌犬、姉だけをひいきしやがって‼この俺様を、コケにした……あ?」
その時、クロラージ・クロスリアの目の前で屋敷を包囲していた近衛騎士達の叫び声が聞こえて来た。
「グワアァぁぁ‼」
「嫌だ!死にたくない‼がh……‼」
その声を聞いて様子を見ていたクロラージの目の前に一人の男性が姿を現したそして、「ココは俺の領地だ、不法侵入と見て断罪する」と静かに言って漆黒に輝いた剣を抜剣した。
「き、貴様は誰だ⁈この俺様の許可を得ない謁見は――!」
「ごちゃごちゃ、うるさい。黙れ」
あまりにも殺気の籠った声色に塩らしくなったが、威勢を取り戻したのか今度は鎖を付けた女性達を目の前に引きずって来た。
「さっさと歩け!雌犬ども‼」
その行為に逆鱗に触れたロアは、居合斬りで鎖を全て切りクロラージの首元にキラーソードを突き付けた。
「てめぇ、人を家畜のように扱いやがったな?どこまで、俺をイラつかせる気だ?」
「ヒ、ヒイィ!」
「な、クロラージ様から離れろ!かh……‼」
ロアは近づいて来た一人の兵士の首をキラーソードで刎ねるとブラッケリアで更によって来ようとしていた兵士達の首を刎ねていった。そんな様子を見ていた周りがロアの事を『断罪の王』と言い始めた。
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