エピソード03 最悪な初対面と粛清

 5歳から今日まで別荘のように毎日やってくるようになった、ある日。ロアはもう、10歳になっていた。この世界では15歳で教会へ行きそこで、魔法の属性やスキルを授かるのだが俺は全属性と全スキルを転生時に神から貰っているから心配はない。

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 庭にやってきた男は俺を一瞥すると「出来損ない《ロア》、久しぶりだな。娼婦との間に出来た子は名前を呼ばないので、ね!」と言って母を押し倒して平手打ちを5回した。

「・・・クソ野郎」

 不意に出た言葉に聞こえたのか男が俺に顔を向けて、剣を抜いた。

「今、何と言った‼」

 母が叫ぶ中、俺は剣を抜いて男の剣を受け流して背負い投げを決めた。

「――やめて‼‼」

「・・・ッ、ふっ!」

 受け身を取らなかった男はそのまま地面に伸びたが、俺は見逃さない。いや、逃さない。

「歯を食いしばれよ、クソ野郎!」

 剣を払い投げて男の髪を掴み力一杯ちからいっぱいに上に投げると同時に、落ちて来た体に対して突き上げアッパーをかましてやった。

「――ゴフゥッ‼‼」

「二度と、俺――否、母や娼婦達を!出来損ないと、呼ぶなぁっ‼」

 その後ろ姿を見ていた母とルカとリリカは、俺を見ながら涙を流していた。

 地面に完全に伸びた男を睨め付けていると、そこに連れの女性と女子がやって来た。そして、地面で伸びている男と血まみれの拳になっている俺を交互に見た二人は理解したのか――俺の元にやって来て感謝を言われた。

「はぁ……はぁ……ッ!FUCKING SHIT‼」

「キャあ!」

「ろ、ロバート様‼――あ……」

 女子が俺の方に近づいて来て平手打ちをしてこようとして来たのだが、執事のような女性に止められた。

貴方あなたが、父を気絶させたのですね?」

「――だから、何?」

「~~‼よくも、父を‼」

「待って下さい、ベルフィティアお嬢様!確かにこの方は、ロバート様を気絶させましたが、それほどの腕を持った方と見えますよ」

 女性が間に入って来たが、俺は関係ないかのように振舞った。しかし、その行為がダメだった。

「俺は、母と師匠たちを侮辱ぶじょくされたので対処をしただけですよ」

 その言葉を聞いたお嬢様と言われた少女が、俺のえりを強く引っ張り「最低ね‼」と吐いた。

「お、お嬢様?」

「帰るわよ、レコン。この男に私の覇気はきが通用しないなんて……想定外だわ」

 最後の方を聞いた限りだと、え?覇気を纏っていたの……?

 それにあの女性執事の名って、レコンだったのね。

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