エピソード02 出来損ない=最強?

 夕方、ルカとの模擬戦を圧倒的なほどまでに制したロアはルカとリリカの目の前でM92Fに消音器サプレッサーを取り付けたM92F―SWPというハンドガンの性能を見せていた。

「こいつは凄いな!小型なのに、凄く軽くて威力が凄まじいぞ!」

「…………」

 リリカは呆然と見ていたが、その時視線に気が付いた。

「あ、ヨルク婦人」

「久しぶりね、リリカと……ルカ」

「なんであたしだけ⁈」

「久しぶりです、ヨルク……婦人」

 何、今の間は?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そのままの続きで、知らなかったことが増えた。なんと、母が元々娼婦しょうふだった事と、ルカとリリカが仲間だった事だ。――なるほど、強姦レイプされて俺が生まれたらしい。

 クソ親父だ。

「――でさ、うちの店に来ていたヨルクの常連さんの子供がロア君でしょ?最近、相手してもらっているの?」

「う、うーん・・・それがね」

 母と俺の待遇を聞いた二人は勢いよく立ち上がった。

「「ハァァァ⁉」」

「出来損ないって言われているの⁈ロアが⁈」

「そんな事ないよ!むしろ、強すぎて最近じゃどっちが弟子か見分けがつかないよ‼」

 おおぅ、俺ってそんなに強いのか。

 二人が信じられないという表情で俺と母の両方を見ている所に、一台の馬車が玄関に留まった。

 降りて来た男の人と女性、女子を見た母は顔色を変えた。――なるほど、あの男が俺のクソ親父か・・・理解した。さぁ、粛清の時間だ!

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