第20話ガンスリンガー
_____一斉討伐、時たま国からの依頼で冒険者ギルドに直接依頼をすることがある。
今回の魔物はリッチー、魔力の続く限り死霊系モンスターを召喚する魔物だ。
「ワクワクするね!」
「気を付けろよ、初めて相手にする魔物だからな」
スラ子と話していると、見知った声が二人を呼び止めた。
「コバヤシ、久しぶりだな」
「サーウェスか!久しぶりだな!」
つい、久々でテンションが上がってしまった。
コホン、と軽く咳払いをして誤魔化す。
「ほお、あなたが」
前にパーティを組んだ時にはいなかった竜族のソーサラーと、
「酒が切れたのお」
ドワーフ族がこちらを見る。
「パーティ、増えたのか?」
「いや・・・なんというか」
サーウェスが口を開く前に、二人は笑いながら言った。
「おぬしは相変わらず変わらんのう」
「よきことでございますな」
サーウェスの肩を親し気に叩いているところを見ると、元々パーティメンバーなのかもしれない。
「わあ!竜族だ!かっこいい!」
「おやおや、可愛らしいお嬢さんですな」
「・・・聞き捨てられないわね」
ニナとサーニャも合流してきた。懐かしい面々だ。少し後ろめたさが、湧いてしまう。
サーウェスに会釈をすると死ななければいいな、と言葉を交わした。
「なんでこんなことになるのよ!」
「しらないが・・・!」
「あわわ!」
_____さかのぼること数分前。
遺跡の半壊により俺たちは分断されてしまった。その時巻き込まれたのは俺たちだけでなく。
「ど、どうするのよ!」
あのときオークション会場にいた女の子も巻き込まれていた。
分断された上に死霊、ワイトに追われて逃げているのだが状況は悪くなる一方だ。
しかたない!
ザザッ、と振り向き逃げるのを辞めると剣を召喚する。
「ウェポンサモナー!再現せよ、ヘブンズギル!」
「わっ!」
「どうするのよ!戦うつもり!?」
「それしかないだろ!俺が引き付ける!」
ワイトは8体ほど、死霊モンスターは疲労もしないし耐久力が続く限り攻撃も辞めない、厄介なモンスターだ。
続いて少女に言った。
「名前は!?」
「リーシャよ!」
「スラ子を援護してくれ!彼女の魔術なら薙ぎ払える!」
「いくよ・・・!術式展開・・・!」
マスケット銃を構えるとリーシャは弾倉を先端から詰める。
マスケット銃は単発式だが威力はある。
ただ基本的にはこんな場面で機能するクラスではない。
ギ・・・ギギ・・・。
「わわ・・!」
「いっくわよおお!」
詠唱中のスラ子にワイトが近づく。
リーシャはコバヤシが取りこぼしたワイトをマスケット銃で仕留めていく。
「連なる水の刃、アクア・スピア!」
詠唱を終えた彼女はワイトを一掃する。
ギッ・・・!
「グルルル・・・!」
______奥の暗闇から、殺意のあるうなり声が響いた。
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