第21話巨竜

暗闇から出てきたのは巨竜、ワイバーン。


体躯はそれほどではないが凶暴で肉食だ。


「ちょっと!ちょっと!きいてないわよ!」


リーシャはマスケット銃に球を装填する。


「グルルルル・・・!」


「こっちだ!」


コバヤシは術式展開をし、いつもより長い詠唱をする。


「術式展開、対象を溶かしつくせ!ディザーヴウ!」


硫酸の塊がヘブンズギルを通じて放たれる。


一目で致命傷を与えることが出来ると判断出来る攻撃。


バサッ!


「あぶない!」


しかしワイバーンは詠唱中にこちらに迫ってきていた。


「あったれえええ!」


その瞬間、リーシャが放った弾丸がワイバーンを捉える。ダメージはあまりなかったが、怯ませることに成功する。


「わわ!あんまり効いてない!?」


「ガアアアア!」


「あぶない!・・・助かったリーシャ」


「ふふん!まだまだなんだから!」


しかしクリーンヒットしてこのダメージか。


と、思った時、


「ふふふ・・・奥の手があるんだから!」


少し大きめの球を腰のバックから取り出した。


____バックショット。


彼女はそう言った。


「ただしこの弾、少しぶれるんだ。当てにくいから引き付けて隙を作ってほしいんだけど・・・」


「分かった。・・・スラ子」


「うん!まっかせて」


最近彼女は新たな魔術を習得したらしい。キルトから教わったらしいが・・・。


「術式展開、汝を縛る鎖。トゥリザーツ!」


「グルルル・・・!」


ギシギシ・・・!


あれは・・・キルトの使っていた闇の術式の魔術だ。


「ディザーヴウ!」


ワイバーンの頭を狙って硫酸を放った。


「オオオン!」


大きく怯ませた瞬間。


「わたしの取っておき!」


リーシャのバックショットが心臓を捉えた。


巨体が崩れ落ち、静寂が戻る。


「二人ともさすがだな。・・・さて早く合流しよう」


早く部隊に戻らないと死ぬことになる。ここは3人では危険すぎる。


3人は慎重に奥に進んだ


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