第47話 いざ海へ2
雫と、かき氷とか食べてキーンってなるから一緒に頭が抱えたり、ビーチフラッグをして、そんな何気ない日常がずっと続けばいいのにな……。
ふと卒業した後、雫と自分はどうなってしまうのかを考えてしまった。
付き合ってるけど、お互いが目標のために離れ離れの遠距離になってしまう可能性も少なくない。
怖いことを考えちゃってた。
愛おしそうに雫を見て落ち着きを取り戻す。
「ちょっと飲み物を買ってくるから先に遊んでいていいよ!」
かき氷を食べた後、会計をしてから雫が、飲み物を買いに行く。
遊んでてって言ってたし、少し距離の離れたところから一応様子を見る。
飲み物を手に持って自販機から戻ってくる時に異性に話しかけられていた。
前の時は、自分の勘違いで道尋ねただけだったのをナンパだと判断したことあったからな……。
今回は、慎重にならないと相手の人に迷惑かけちゃう。
様子を見ていると楽しそうに会話しているみたいであんまりいい気分じゃない。
そんな光景を見ていると雫が、いつか異性を好きになって自分の隣からいなくなることを考えたら胸にぽっかりと穴が空いたような感じになる。
ハハッ……。雫が隣にいないと駄目だと実感しちゃったとかやばすぎじゃん。
自分には、雫が必要不可欠な存在になってるんだ……。
あー、重い! 自分って、こんな重い人間だったのか!?
「楽しそう……」
「雫ちゃんは、怜ちゃんといる時の方が、一番生き生きしてるけどね」
気づいたら澪ちゃんが真隣にいて独り言を呟いていたのを聞かれた上にフォローまでされてしまった。
「その顔は、信じてないね? 怜ちゃんに嘘を言っても意味ないのわかるでしょ」
確かに嘘をついたところで何も起きないもんな。
「声をかけに行ったらいいんじゃない?」
「楽しそうに会話してるの邪魔しちゃいそうだけどな……」
なるようになるさと言われて澪ちゃんが真帆ちゃんのところに行ってしまう。
悩むけど澪ちゃんが言うことだから大丈夫な気がしていたかも! 行くかー。
雫の側まで行くと視線を感じたのか嬉しそうな顔をして、こちらに手招きしている。
「今さっき話してた怜だよ!」
訳もわからず近くに行くと雫が腕を組んできて異性の人に紹介してる。
「初めまして。千葉 怜です」
親しそうに会話するから挨拶しとかないと悪いからね。
「僕の名前は、
こっそり雫に耳打ちをする。
「どういう関係性か相手の方に言ったの?」
「もちろん! 友達だからね!」
だからあんな親しげだったのか。
でも友達だと言っても相手の方が好意を抱いているパターンはあるから油断できない。
話をしていて思ったことは、純粋に雫を見ていただけだった。下心とか全く無いから疑ってしまった罪悪感が半端ない。
ん? 誰か近づいてきてる。
「あっ、一楓! こっちだよ!」
智慧くんの知り合いか。いきなり顔付きも変わって満面の笑顔になっている。
まるで恋人みたいだ……。
「どうも。
てかダルそうな感じだけど見た目めっちゃイケメンだ。
雫が、惚れたら困るから会話とかしたら邪魔しようかなー。
自分も自己紹介を済ませてからは、楽しそうに智慧くんと雫は話をしている。
「いきなりで失礼なんですけどお互い似てますよね」
堀という人が話かけてきたけど、言葉の意味がわからず首を傾げて、相手の人と自分達を見比べた。
あれ……。なんか智慧くんの首元赤いマークと歯型が薄っすらと上着に隠れているがある。
そういうことか……。智慧くんは、普通にしているから雫と同じで意味わかってないっぽいな。
「確かに似てますね。まあ、わたしの恋人は、可愛いから変な虫がつかないか心配でつけちゃったんですよ」
自慢げに雫が一番可愛いアピールをする。
「へー、そうですか? 俺の恋人のが可愛いですけどね」
なんだ、こいつ。張り合ってくるじゃん。
智慧くん、相手にするの大変そう。
絶対、面倒くさい束縛タイプだ。
「ふーん、相当溺愛してますね。わたしたちのがラブラブですけどね」
なんか敵対心でちゃうんだよなー。
同族嫌悪的なやつか。
相手が言い返そうとすると智慧くんと雫が話を終えたのか、二人とも自分と相手を見ている。
「浮気しちゃ、だめ……」
雫がヤキモチを焼いたのか落ち込んだような目で見られてしまった。
でも、ヤキモチ焼いてくれるのは、これはこれでいいな。
雫が悲しんでるから二度としないけどね。
「ごめんごめん。恋人自慢で話をしてたけど嫉妬してくれたのかー。可愛い恋人が目の前にいるのに浮気とか絶対しないよ」
おでこにキスにして雫に言う。
向こうは、向こうで少し修羅場になっていて申し訳なったけど堀という男は、嫉妬してくれてるの内心は嬉しがってるだろうな。
喧嘩が終わったみたいだから、お互いが友達と遊ぶからと言って解散した。
同性カップルと仲良くなったけど、こういう友達もいいかも。
今日は、まだまだ時間があって遊べれるから遊んでいる三人のところに行って夕方まで遊んで帰る時には、自分含め五人がクタクタになって帰った。
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