第35話 体育祭3
真帆ちゃんが着替えを終えて戻ってくる。
「おつかれー。美人すぎて、びっくりしたよー」
戻ってきてすぐに真帆ちゃんに声をかける。
「怜ちゃんは、口が上手いねー」
真帆ちゃんが頭を抱えながら疲れた顔をしている。
何やら試合が終わった後に、ひと目見ようと男子生徒達が押し寄せたみたいで、すぐに着替えて逃げてきたとのこと。
大変そう……。
「もう真帆が仮装リレー選んだからこうなったんだよ?」
澪ちゃんが真帆ちゃんに注意している。
真帆ちゃんも男子生徒達が来ないか、キョロキョロと見ていたけど大丈夫そうで安心していた。
「三人は昼ご飯、家族と食べる?」
「いや、来てないから澪と食べるよー」
真帆ちゃんと澪ちゃんの家族は、来ていない。
「雫は?」
「私、お母さん来ているから昼ご飯は、一緒に食べようかなって思う」
雫のところの家族は、来ているのか。
「わたしも家族が来てるから昼ご飯を食べたら、三人にメールするね!」
「うん、わかったー」
そういって家族が集まっている場所に行って昼ご飯を食べる。
結花は、学校などの風景を見ながら食べていて、そんなに気になるのかなと思っていた。
「結花もこの高校に入学したいって言ってたから今日、学校の中の様子を見るの楽しみにしてたんだよなー」
お父さんの言葉に驚く。
結花が後輩としてくるのか。
「知らなかったってことは、教えるつもりなかったのかー」
寂しそうに結花を見つめるけど、そっぽを向いている。
「お姉ちゃんを驚かせようとしてたから秘密にしてただけだし!」
そういうことか!
結花にも可愛いところあるなー。
「ご飯食べたし、そろそろ戻ろうかな」
「早いね……。もう行くんだ」
珍しいな。いつもは、そんなこと言わないけど甘えたい時期なのかな?
「友達のところに行くんだけどついてくる?」
「うん! 行く!」
いずれ後輩になるんだからら他の三人にも顔を見せたほうがいいだろう。
初対面で知らないの雫だけだったの忘れてた。
自分のクラスにあるテントに向かうと家族と食べたり、生徒だけで教室に入って、食べることもできるのでそっちに行って食べる人もいるみたいだから数人しかいない。
「真帆ちゃん、澪ちゃん! 妹の結花を連れてきたよー」
真帆ちゃんは、よく会っているから大丈夫みたいだけど澪ちゃんの方を見ると、まだ緊張しているみたい。
「ふむ、可愛い顔付きだね。緊張しなくていいからこっちおいで」
何をするのかと思ったらお菓子を与えていて餌付けされていた。
「良い人だね!」
餌付けされて懐くって犬みたい……。
仲良くなるきっかけが、できたからいいか。
雫は、まだ戻っていない。
結花の座る場所がないので自分の太ももに乗せておくしかないな。
妹に席を譲るの面倒くさい。
「だれ……。怜の上に座っている子……」
え! 雫じゃん!
妹をバタバタのかして誤解を解こうとする。
「妹だから安心して!」
妹という単語を出した瞬間にホッとしたような表情をしている。
危なかった。
「怜の妹、結花です。この高校に行くのでよろしくお願いします」
「鳳城 雫です。怜の恋人です……。よろしくお願いします」
恋人って言ってくれた! 友達って言うのかなとか思っていたけど照れているように見えるし可愛い!
「え! あのお姉ちゃんがついに恋人!?」
あのって言い方は、よく分からないが一番びっくりしたのが、恋人が女の子なのにそこに突っ込まれていない。
反応が、思っていたのと違っていた。
「さすがに言い過ぎだぞ! そんなびっくりする?」
「雫さん、お姉ちゃんが、どんな風にアタックしたか気になるんですけど聞いていいですか?」
自分の話を無視して雫に質問ばっかりするし、聞いている内容も恥ずかしいことだから暴走する結花を止めた。
「雫が困るからやめて。でも可愛いでしょー。わたしの恋人!」
自慢をすると雫が顔を真っ赤にしてポカポカと弱い力で叩いているし、他の三人が惚気よ、とヒソヒソ話すようにしていて面白かった。
「休憩時間は、終了しますので生徒達は席に戻ってください」
先生が校内放送を使って生徒を呼びかけるので結花が急いで戻って行った。
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