第34話 体育祭2

 いざ! 体育祭開幕だ!


 最初は、綱引きで赤と白が、二つに分かれて試合をして白チームが勝つことができた。


 炎天下の中での体育祭だから水分補給をこまめにするように先生から声がけされる。


 そういえば、次の種目ってなんだろう。


 プログラムを書かれた紙を見ながら自分のクラスにある席のテントで水分補給をして足を組んで見る。


 棒取り合戦か。

 女子は、怪我が危ないという理由で男子だけが出ることになった種目である。

 実は、他にも男子だけの種目もあるんだけど騎馬戦もその一つだ。本当は、それに出たかったんだけどね。仕方ないから諦めたやつだ。


「男子ファイトー」


 クラスの女子が男子を応援しているけど取られた数のが多くて惜しくも赤チームの勝ちになってしまう。


 戻ってきた男子に女子が優しく、どんまいどんまいと言っている。

 声をかけられている男子達も顔が赤くなっている感じ。

 こういう行事は、告白イベントが発生するのが多いから優しく声かけられたら男子は、すぐ恋に落ちそうだな。


「よしー! 澪やるぞー!」


 真帆ちゃんが、いきなり声を出している。

 何事だと思って二人を見ると真帆ちゃんと澪ちゃんがする種目は──二人三脚か。


「真帆ちゃん、澪ちゃん! 頑張って!」


 雫が、二人に応援している隣で自分もファイト と言って見送る。


 二人きりになったから椅子に座る雫と距離を近づけて手を触れ合わせて、一緒に観戦するようにした。


 体力がつけるのは、大変そうだったからあんまり手助けできなかったかもだけどそんな心配も必要ないみたい。


 他のチームを抜いて大幅にリードしている。

 よし! 応援するか!


「いけー! 真帆ちゃん、澪ちゃんー!」


 さすが幼馴染なだけあって息もピッタリだから、一位になった。


 遠くで二人がハイタッチしている。

 本当に仲良いな。


 二人が戻ってきたらまずは、自慢げにピースしていて面白かった。


 やばい。次、自分じゃん。


「次の種目、わたしだから行ってくる」


「行ってらっしゃいー」


 雫が返事をして真帆ちゃんと澪ちゃんは、ニッコリとした顔でただ見送ってくれた。


 なに!? 二人の反応が、こわい。


 考えないようにして今は、体育祭のことに集中しよ。

 次の種目は、興味本位で選んだ借り物競走だ。


 ふと雫の顔を見る。

 あっ、目が合った。手を降ってくれるので振り返した。


 はい。元気でたから、一位になれる気がするわ。


「位置について、よーいドン」


 先生がスターターピストルを撃って試合が始める。


 自分が一番先にお題箱に着いて箱に入っている紙を取り出して紙を開く。


『可愛い子』


 可愛い子と言うお題を引いた瞬間、自分が走った先は雫の元である。


「雫! お題を見て来たんだけど一位になりたいからお姫様抱っこしていい?」


 雫が顔を真っ赤にして黙って頷いている。

 お姫様抱っこをして走り出す。周りから黄色い歓声が凄い。

 雫の小さい吐息などが隣から聞こえてきて、ドキドキするからすぐにゴールしたい、一心で必死に走った。


 お題の紙を渡して生徒が判断するみたい。

 でも余計なことにマイクでお題を読み上げられてしまったので、そのお題を知って雫が口元を隠している。


 生徒の審査に合格したので、一位を獲得することができた。


 テントに戻る時、雫が手を握ってきたので恋人繋ぎにしてクラスのところに戻った。


「試合でも凄かったけど今もお熱いようで見ているこっちも照れちゃったよー!」


 真帆ちゃんが、ニヤニヤと笑いながら恋人繋ぎを見て言う。


「もっと見せて!」


 澪ちゃんが恋人繋ぎをしている様子をガン見する。

 真帆ちゃんがカメラを構えて撮っていてカオスだ……。


「あっ、真帆ちゃん! 次の試合でしょ。カメラは、もういいから行ってきなよ」


 暴走する前に防げれたから助かった。次の種目が仮装リレーだから真帆ちゃんが、あんまり嬉しくなさそうにしている。


「時間があまりにも足りなかったな。もう少し撮っておきたかった……」


 かっこよくセリフを言っているようだけど、ただの撮影していただけなのにな、と思いながら可哀想だから真帆ちゃんのカメラで雫と自分の二人で写真を撮った。

 後、クラス全員と澪ちゃんも含めた三人で撮ったりして真帆ちゃんにカメラを借りたことを伝えて謝ろう。


 仮装リレーとは、その名の通り着替えてゴールするという種目で袋が何個か置いてあるので選んで着替える。中身は、わからないので、そこが面白いから評判が高い種目らしい。


 みんなが着替えて出てくる。


「あれっ! 真帆ちゃんいないよね! どこにいるの!」


 自分が、澪ちゃんに問いかけてしまう。


「大丈夫だよ。ちゃんといるから」


 え? どこにいるんだろう。

 なんか一人だけ異様にが、いるのはどういうこと?


 一位にゴールした人は、その綺麗な人で薄い生地で作られたセクシーな格好をしている。


「あれ、誰かわからないけど凄い綺麗な人だねー」


「うん!」


 自分と雫が会話をして盛り上がっていて男子達も興奮している。


「アレだよ。真帆」


 少し間をおいて雫と自分が澪ちゃんを見て驚いた声で叫んでしまう。


「えー!!!! 待って! あんな美人なのに隠して学校生活してたの!」


 そういや、たしかに最初あった時、近い距離で顔みたけど綺麗だったの忘れてた。

 それにいつもかけている眼鏡がない!


「大人の色気が出すぎて同い年に見えないよー!!」


 雫も相当驚いている様子だ。


「真帆、目が悪いから眼鏡かけてるだけで外したらめっちゃ美人だよ。多分、着替える時に邪魔で外して場所わかんなくなったと思う」


 眼鏡をかけてないだけでそこまで予想するとは、さすが幼馴染だ。


 種目が終わって先生が昼休みに入ったので食事をしてくださいと校内放送で指示された。

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