第33話 体育祭1

 雫とのショッピングデート以来、普通に過ごしているけど体育祭も間近になっているから、みんなもやる気に満ちている。


 自分は、リレー系の種目ばかりだから練習とかスタートダッシュの練習すればいいし、応援団の声出しと手の振り付けは、楽なやつだったので、すぐできるようになった。


 することもなくてただ練習している人を眺めるしかできない。

 真帆ちゃんと澪ちゃんは、二人とも体力ないので二人三脚をしながらずっと走って体力つけようとしてるみたい。


 雫は、チアガールの練習だ。


 みんな、別のことしてるから自分だけ一人ぼっちみたいだから体育館をふらっと覗こうかな。


「怜! どうしたの。お昼休みに体育館に来るなんて珍しいじゃん!」


「先輩ー、暇です。自分することなくて覗きに行こうかなって軽い気持ちで来ました!」


 先輩達が笑っていて、こちらに来て言う。


「怜! 貴方だからできるだけであって他の人は、違うのよ! 人に教えたりしてきたらどう?」


「あー、そうですね! やってみます!」


 やってみるって言ったけど人に教えたりしたことない。

 真帆ちゃんと澪ちゃんのところにいって二人三脚の様子見るか。


「真帆ちゃん! 澪ちゃん! 見に来ちゃった」


 二人がどうしたの、と言ってくれたので教えれることあるから何か手伝いたいと伝えた。


「うーん、体力がないままで体育祭にでることになりそうなんだね。そこをどうにかしたいんだけど何かある?」


 真帆ちゃんからの質問に一回走り方を見せてもらって答える。


「長距離でも疲れにくい走り方を教えるよー」


 そう伝えると助かると言ってくれて自分でも何か役に立てることあるんだなと思う瞬間だった。


 色んな人達に教えてからは、毎日が早く過ぎて行く。


「明日が体育祭かー」


 ベットで寝る準備が終わって横になって呟く。

 速すぎとか思ってたら瞼が重くなって自然と寝ていた。


 朝が来てカーテンを思いっきり開けられる。


「うっ、まぶしっ!」


「怜、今日は、体育祭だぞ! お父さん、楽しみすぎて早起きしちゃったんだから準備しなさい」


 そっか。京蘭学校の体育祭は、お父さん行くって言ってたの忘れてた。

 そんなに楽しみにしてたのか。


 お父さんの前で雫とイチャイチャはできないから我慢しよう。


「うん、準備する。もしかして結花も来る感じなの?」


「結花も行くよ。お父さんは、怜もいるし、駿介の先生姿も見たいからね!」


 いつも行事とか参加してくれていたもんな。

 仕事のが大切だから行事とかは、結花のだけ行ってたらいいとか伝えていたけど全部の行事に参加するって聞かなかったし、本当に頑固なお父さんだったけど嬉しかったのを思い出す。


「いつもありがとう。お父さん」


「なんだー。いきなり言われたらお父さんが照れるじゃないか」


 階段をおりてリビングには、すでに朝食が並べてある。


 はやっ。もう用意してあるじゃん。

 歯を磨いて朝食を食べ終え、着替える。

 上は、夏用で下は怪我しないようにジャージだ。

 準備も終わったし、結花も体育祭に行きたいって行ってたし起こすか。


「結花。起きろー」


 階段に登りながら結花を呼ぶ。

 寝ぼけながら起きてくる結花に頭を撫でる。


「なんだ。早く起きれているじゃん。偉い偉い」


 行事の時は、お父さんが車を出してくれるから、のんびりできるな。


 お父さんの車で学校に行くと車が沢山止まっていてほぼ渋滞状態。


「うわー! 多い! 怜は、先に降りて登校してきた方がいいよ」


「わかった! ありがとう!」


 あっ、雫だ。

 雫がいるなら自分のクラスが集まってるってことだよね。

 歩いて雫のところに向かう。


「おはよう。雫」


「おはよー」


 雫が返事をしてくれたら隣に真帆ちゃんと澪ちゃんもいたので挨拶した。


 先生が拡声器を使ってグラウンドにいる生徒達を赤と白で別れて学年ごとに並ぶように声がけされる。


 言われた通りに並んで生徒の人が選手宣誓をしてこれから体育祭の幕開けだ。

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