第28話 バスケ
まだ体育祭も、まだ先だけど昼休みとかに女子は、チアガールするから踊りの練習とかしている。
練習する場所は、外にしかない。
体育館も三年生とかが試合近いのでほぼ昼休みは、使われている状態。教室は練習をするところじゃないから先生に外でやれ、と言われていた。
外も別の学年とかが使っているけど自分のクラスは、幅をとらない踊りの練習なので日陰にちょこんとしているみたい。
その女子の中には、雫もいるので様子見ようかと思ったけど拒否されてしまった。
仕方なく自分のクラスの窓からギリギリみえるところがあるからそこで見るようにしている。
「雫は、世界一可愛いね」
「うわ!? 惚気じゃん。怜ちゃん」
隣で何を見ているの気になって近づいてきた真帆ちゃんが答える。
「あー、真帆ちゃんか。びっくりしたー。そういや真帆ちゃんも学ランの方を選んでたとは思わなかった!」
「いや、覚えるの嫌だし、そんな時間あったら別のことをしていたいなって気づいてしまった」
なるほど。覚えるのは、少し時間かかるかもしれないから昼休みとかに練習をしないと振り付けを忘れたりしそうって雫と澪ちゃんが言ってたな。
「澪ちゃんは、チアガールするだね?」
「体育祭とか体力いるから少し運動するために選んだって言ってたよー」
すぐ家に帰っているから体育祭のためにするのは偉いな。
真帆ちゃんは、運動とかする気配がないっぽいけど大丈夫なのかな?
「真帆ちゃんも運動しないの?」
「まだ、体育祭は、先だから澪とは、息を合わせるために少し二人三脚してるぐらいで仮装リレーは、運だから大丈夫だよ!」
根拠のない自信で言ってるのは、真帆ちゃんらしい。
「にしても男子達も応援団だし練習とかもありそうだけど真面目な人がいないから、まだする様子ないね」
「そっちのが楽でいいし応援団する時、怜ちゃんは、ポニテにして! かっこいいし可愛い!」
話逸らされたし別のことで興奮してるなー。そんなにポニーテールいいのかな?
もしかして時々、漫画で見るような昔の男性がしている
「凛々しい姿とセクシーに見える首筋とか最高じゃない? 美しいから怜ちゃん絶対似合う!」
「あ、ありがと」
戸惑いながら真帆ちゃんにお礼を言う。
首筋あんまり見えないように隠そうかな。
でも真帆ちゃんに言われて意図的に隠したとかバレたら怖いからやっぱり止めるか。
「何か考えているのかなー? 目が虚ろじゃない?」
「え、いや……。何も考えてないよ」
こわ。学ランを着てポニテしないとダメな感じだ。
怪しいという目で真帆ちゃんがガン見してくる。
何とも言えない空気の中、昼休みのチャイムのおかげで救われたのだった。
そんな日々も通り過ぎて行き──バスケの試合本番。
部活の試合は、早起きだからほぼ学校の時と起きる時間は変わらない。
まだ、三年生達の試合も少し先の時間帯みたいなので先輩達は、体をほぐしたりしている。
自分は、その間に他校の試合などを遠くから見ていた。先輩達もストレッチなどが終わったみたいで試合を一緒に眺める。
「どうだ。他校の試合の様子をみてどう思う」
先輩達だけではなくバスケ部位の全員に聞いてくる。
こんなこと聞いてどうするんだろう。
一人一人が答えて自分も聞かれた。
「試合は優勢している学校の方は、フォーメーションが綺麗で事前に色んな高校の試合を見て研究して弱点などを狙うようにしてます。劣勢に立たされている高校は、相手の思うツボになっているので自暴自棄になって冷静に試合できていない感じです」
「凄くな。観察眼も優れているのか」
普通に見ただけなんだけどそんな褒められることかな。
でも小さい頃からスポーツ好きだったからよくお父さんに試合の状況とか教えてもらったりしてた。
まさか、それのおかげで詳しくなったりしたとか関係ないよね……?
試合が終わった。結局、優勢している高校が勝ったみたい。
先輩達が次の試合だから動き出している。
どんな試合になるか見物だな。
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