第26話 テスト
家と学校の両方で勉強を頑張ってテスト当日がやってきた。
真実を言えば、勉強会で起こった出来事が脳をよぎらないようにテスト勉強を頑張ったというのが正しい。
はあ、あれが俗に言うお預け状態か…………。
席に着くと先生が答案用紙を配りながら見直しが大事から忘れるなよと注意喚起をする。
何も考えないようにして、テストを頑張るか。
「じゃあ、時計の針が12時のところになったらテストを始めるんだぞ。それまで静かにするように」
あっ、時間になった。
みんなが一斉に答案用紙を解き始める。
それからは、問題を解いて答案用紙を集められる作業を何回も繰り返して休憩時間に少し雫に癒してもらいながらテストが無事終わった。
ほぼ勉強会では、雫とかに教えてもらって兄貴から教えてもらっていない。
後は、結果を待つだけ。
「怜、お疲れ様ー」
帰る準備をしていると雫がきた。
「雫もお疲れ様。テスト終わったし、どっかに遊び行く?」
「うーん……。怜の家がいい」
あっ、あれもしかして……。雫も勉強会で起きた出来事がまだ頭から離れてなかったのか。
やばい。雫から言い出すとか想像してなかったから緊張する!
「う、うん! 全然良いよ!」
「よかった!」
雫は、どんな気持ちで自分の家に行くのかな。
やっぱり、言葉に表すのは凄く緊張することだし自分も告白の時に緊張したからその気持ちがわかる。
よしっ! 頑張るか!
自転車置き場まで恋人繋ぎして、自転車があるから自分が運ぶようにして雫は、その隣を歩くようにして家に着く。
自分の部屋に招いてテーブルには、お菓子とお茶を準備した。
「雫、お菓子食べていいよ」
「ありがとう」
二人でテーブルを囲い込むように座ってしまったことを後悔して、もう一度立ち上がり雫の隣に座った。
雫もいきなり隣に来るとは思わなかったから、びっくりした表情をしているのか、ずっと顔を見てくる。
「どうしたの、そんな可愛い顔して見てるけど」
「えっ!? な、なんでもない」
慌てて真正面を向いてもぐもぐとお菓子食べている。
雫も隣に座ってからお互いに肩を寄せ合う。
お菓子も食べ終わったから雫の手に触れる。
「雫」
「なに……?」
少し肩を離れてこちらに顔を向ける。
雫の髪の毛がちょっと顔にかかっているから耳にかけてから頬に手を添えて近づく。
雫がゆっくりと目を閉じて唇が重なり合う。
「んっ……」
慣れていないからか雫がキスされている時に吐息混じりの声を出す。
キスが終わると雫が上目遣いをしてこっちを見てくる。
「どうしたの?」
少しトロンとした目をしている雫に言う。
「もっと……したい」
まさかのおねだり。
可愛い。こんなに甘々になっている雫に口づけを何回かした。
まだ、ソフトキスしか知らなさそうだからさすがにもう一段階上のキスは、できないけど雫が何回もおねだりしてきた時、いつか理性が保てないでしたくなってしまう。
あー、やばい。雫、めっちゃ可愛かった。
これがツンデレのデレ威力か。
なんか部屋がとても暑くなったように感じた。
ふと時計の時間を見るともう夕方になっていたので雫も家に帰る時間だから家族の人を心配してしまう。
「雫、もう帰る時間じゃない? 家族が心配しちゃうから家まで見送るよ」
「うん」
雫の家は、少し離れたところに住宅街にあった。
ここが雫の家か。
「まだ、離れたくない……」
「雫は、甘えるのが好きだね。仕方ないな……。人が通るかもしれないからハグだけしようか」
嬉しそうに頷く雫が可愛い。
本当は、自分も帰したくないけど今は我慢。
ハグをして雫の頭を撫でる。
自分からハグしかしないって言っておいてキスをしたくなっちゃう気分になってしまう。
雫には、バレないようにそっと髪の毛にキスして手を振りながら雫が家に入るのを見て自分の家に帰った。
「ふう、雫の魅力の虜になりそうだった……」
そう呟くながらベットの枕に顔をうずめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます