第11話 予想外のイベント

 旅館の中に足を踏み入れると、旅館の従業員が方々が出迎えてくれてた。


 荷物を置くために、従業員の方に梅の間の場所を教えてもらおうとしたが部屋の前まで案内してくれて、とても親切に対応してくれたのだ。


 さすが、高級旅館は格が違う。


「ありがとうございます!」


 四人で従業員の方にお礼をして、部屋に入る。


 部屋入って和室の広さに絶句した。

 四人で一泊するには、あまりに広すぎる印象で本当に、ここで合ってるのか戸惑ってしまう。


 入ってすぐ目に入ったのは、テーブルと横にソファがあるが、和モダン風で座り心地も良い。

 肘置きの所を広くしていて、飲み物や本なども置けて便利な上に、足を伸ばせると言う最高にリラックスできる。


 ソファの他にも人を駄目にするというビーズクッションも置いてあることに驚く。


 高い旅館だからテレビも三十二インチは、ありそうな大きさだ。


 奥に行くと広縁のスペースがあり、ちょっと小さいテーブルと椅子が設けてある。


 絶景を眺めることができるから、疲れたときに自然を見ながら、休められる休憩スポットみたい。

 外には、桜が見えていて、季節感も感じることもできるから四季折々を楽しみながらゆっくり寛いだりもできる空間だ。


 和室の部屋にあるテーブルの隣は、ベッドが置いてあり、ダブルベッドが二つある。


 ベッド……。誰と隣で寝ることになるだろう?


 そんなことを考えてたが、三人のテンションが異様に高い。


「す、すごい! こんなに広いとクラスメイトの子達が入っても余裕で遊べる!」


「人を駄目にするというクッションがある。駄目人間にするみたいだけど、どれほどの効力があるか座ってみるか」


「テレビでかいし、外の景色綺麗すぎる! それに絶対、二度と来れないだろうから堪能しないといけない! こんなところに住めたら良いアイデアがいっぱい浮かびそうだ……」


 三人が一気に喋るし、バラバラな行動に収集がつかなくなる。

 これじゃ、でかい子供がはしゃいでるような光景にしか見えない。


「うーん、はしゃいじゃうのは凄くわかるけど、先生とクラスメイトが待ってるかもしれないから行こっか」


 笑いながら三人に言う。


「あっ、そうだった。携帯持っていかないといけないし、遅れたら怒られるよね……」


 はしゃいでいたが雫は、少し落ち着いた表情を見せる。


「でも皆、はしゃいで遅れる人グループは、絶対いると思うんだよね!」


 真帆ちゃんが言っている一言に、澪ちゃんがそうだねと肯定していた。


「面倒くさいけど、集合場所と言われる場所に行かないとだね」


 言う通りに動いてくれて、広間に四人で行く。


 他のグループにいる女子は、集合してたがやはり男子は、少ししか人が来ていなかった。


「部屋に魅了されたか……」


 澪ちゃんが呟いてて、面白いこととかを言う子なんだなと少しクスッと笑いながら思う。


「澪ちゃん、真顔で言ってることが面白すぎるって」


「ハハッ、そう? 澪も人を駄目にするクッションに魅了されてたから、そう思っただけだよ」


 何分間か、みんながバラバラで会話をして待っていても、男子が来るの遅いので先生が呼びに言って事無きを得た。


 先生がクラスの全員、集まったのを確認して携帯を没収して回る。携帯を集めたら生徒達の前に立って喋りだす。


「集めたのは、時間がもう昼に、なってきているからだ。協力してカレーを作る予定だったんだが、本来泊まるはずだった宿泊施設とは違うからできない。大人数で調理できる場所と設備がないし、旅館のキッチンを借りるのも悪いと言う話し合いになった。旅館の方達が昼食を作ってくれているから感謝するように」


 おー! 最高じゃん!

 料理とか作らなくていいみたいだし、本当にただの泊まりの遊びになって嬉しい!


「本当に、ただの外泊にしかならないのが残念なので──昼食ができるまで外に何もない敷地があると聞いたから、全学年強制参加のゲームをする。その名もケイドロだ!」

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