第3話 同じクラス
先生含めた三人で、教室まで移動してる時に同じクラスだと教えてくれた。
「やった! 怜と同じクラスで良かったー」
ホッとした表情を見せる雫を横目で眺める。
めっちゃ、嬉しい! どうしよう!
雫が、目の前にいるのに、顔の表情が緩んじゃう。思わず口元を片手で覆い隠す。
先生が、立ち止まって自分と雫を声をかけてきた。
「何やってんだ、お前ら。目の前にあるのが、お前らのクラスだから早く入れ」
案内してくれたので、ありがとうと感謝の言葉を述べる。
「 お前らの担任だから、教室教えたんだよ。早く席につけ」
「はー、まじか」
心の中で思ってたことが、思わず声に出てしまう。
「トイレ掃除、一週間したいみたいだな?」
「いえ、何も言ってません」
先生に、反抗心がないように、笑顔を向けて答える。
その一部始終を見ていたクラスの子達から、続々と話しかけられた。
「名前なんて言うの? 先生と掛け合いできるの凄い! 見てて面白かった!」
「先生と仲良いけど、もしかして知り合い?」
「会話、凄く面白かったぜ!」
色んな質問が、目の前で飛び交うので頭が、ついていけない。
「はいはい、落ち着け。とりあえず、お前らは、席について一人ずつ自己紹介させるからクラスの事を知れ」
先生の発した言葉に、みんなが黙々と席に着く。
「聞き分けが早いし、お前らは、偉いぞ。良いクラスになるな」
席に着いた男子生徒が、手を挙げて先生に言葉を投げかける。
「先生、俺達の扱いが上手すぎて、怖いんですけど何でですか?」
「お前らみたいな、生徒は扱いやすいぞ。餌とか撒いてたら、大人しくなるからな。時には怒ることもあるけど、ご褒美を出して言うこと聞く生徒だったし、このクラスには悪ガキもいないしな」
先生をしている姿を知らなかったけど、今までの担任だった先生より一番マシだと思った。
生徒の扱い上手いし、言うこと聞くと褒めてるし、チラッと周りを見渡す。座っているクラスの子達を見ると、やはり褒められて嬉しいそうにしている。
「質問にも答えたからまず先生から自己紹介するか」
黒板に白チョークで千葉 駿介と書いていく。
「千葉駿介だ。クラスの生徒を初めて、受け持つから宜しくな。それと今年から、一年生は三年間クラス替えもないからな」
決定事項だから、席替えで我慢してくれと後付けで言う。
「クラス替えがないって事は、千葉先生は、ずっと俺達の担任なのかな。それだったら三年間、同じでも良い気がするわ」
「それな! 俺らが、初めてとか運良すぎだろ」
「これからの行事とか絶対楽しいね!」
男女生徒からの好感度も、高いのが、目に見えてわかる。
「俺が人気者なのは、わかったから俺から見て左端の先頭から、自己紹介と趣味とか教えてくれ」
簡単な挨拶なので、一人また一人と順番を終えてゆく。
そして気づいたら自分の番になっていた。
はや。もう自分の番か。
「千葉 怜です。趣味は、体を動かすことです」
自分の番を終えて、一息つけると思ったが、クラスの人達が先生と私の何度も見比べる。
「苗字が同じだし、やっぱり知り合いだよな? 親戚かな」
「顔は、少し似てるかも?」
口々に色んな意見が出てくる。
みんなが、興味津々で聞いてくる時点で怖い。
「兄妹だな」
先生が返答して、みんな納得している。
「先生と掛け合いするぐらいだもんな!」
謎が解決したみたいで、次の生徒が何も無かったかのように、自己紹介していく。
そして雫の番が来た!
雫の趣味って、なんだろうって妄想を膨らませる。
「鳳城 雫です。趣味は、お菓子作りです」
可愛い! 雫の手作りお菓子、食べたい!
雫の席は、自分より少し斜め後ろの位置する。後ろを振り向いて、雫の顔をずっと見てたから自然と目が合う。
こちらに気づいて、笑顔を向けて手を振ってくれた。
うん。死亡者がでるな。
「よし! 全員の自己紹介が、終わったな」
雫しか見てなかったから、雫の席から次の人の自己紹介を聞いてない。やってしまった。名前を全員分、覚えてないわ。
「お前ら、今の席に満足してるか? 名前順に並んでるから俺が名前を覚えるのに、時間かかってもいいなら席替えしてもいいぞ?」
これは、チャンスなのではないか!?
名前順だったから雫と結構、席との距離が空いてた。
「先生! 席替えをしたい! これから仲良くなりたい子とかいるので、自分達で選びたいです!」
「いいね! それ! 私も仲良くなった子と席が離れてたから隣がいい!」
皆の意見が、一致したので先生も快く席替えに承諾してくれた。
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