第32話 ユアsideリオン様は魔物
リオン様の側から逃げ出した僕の様子をひと目見て何かを悟った侍従は、リオン様に上手く言っておきますねと僕を安心させてから、僕をしばらく一人にしてくれた。
僕はベッドに浅く腰掛けると、熱く膨らんでキツくなったズボンをずり下げた。
僕の中心はズクズクと脈打って、僕は思わずボンクスの上からグッとソレを握りしめた。
痛い様な、気持ちいい様なその刺激に煽られて、僕は大きくなったソレを無意識にボンクスの上からゆっくり何度もさすって迫り上がる何かを追いかけた。
一瞬息が詰まる感じがした後、弾ける様な解き放たれる様な、痺れる気持ちよさが僕を包んだ。
僕は荒くなった息が落ち着くまでぼんやりとしていたけれど、ハッと我に帰るとボンクスの中の気持ち悪さが浮かび上がってきた。
時々朝起きた時にある、夢精の時みたいだ。
何だか萎れた気分で濡れたボンクスを着替えた。
最近の僕は変なんだ。夢精してしまった時は必ずリオン様とのエッチな夢を見ていた気がするし。
その事がとっても後ろめたく感じる。夢の中の話なんだけど。
夢精する様になったら、ご自分で中心をさすってください。時々白い精液を出すと夢精しないようになりますからと従者には言われてる。
僕はベッドに転がりながら先日のリオン様の事を思い出していた。
初めてリオン様が一人で僕だけに会いにきてくれたのがとても嬉しくて、前日からソワソワしてお母様にコロコロ笑われてたのに、それも気にならないくらい舞い上がってたのは確かだ。
綺麗なサラクの木の側で、キラキラした笑顔のリオン様が僕にクッキーをアーンしてくれた時はドキドキと嬉しさで胸がいっぱいだった。
そこからは天国だったのか、はたまた地獄だったのか、僕には判断がつかない。
リオン様の細くて綺麗な指が僕の唇を撫でた時、僕は死んだ。うん。意識が飛んだから一瞬は死んでたと思う。
僕はすっかりパニックになって、リオン様の顔も見られなくなって拗ねた気がする。
頬にチュっと軽い音がして、リオン様が悪戯っぽい顔で僕を見てたのに気づいた時、僕は…とんでもない事を言った気がする。
確か…リオン様が大好きで大嫌い、口づけさせろってとんでもない事を!
ああ、やばい。情緒不安定が過ぎる。僕は侯爵家後継ぎなのに!
それから…僕は衝動のままにリオン様の頬に…ああ、何て甘い香りだったんだろう…。でもリオン様が随分余裕な顔をしてたから悔しくなった僕はリオン様の唇に口付けてしまった。
何度も、調子に乗って。
その後人生を変える様な衝撃が訪れるとは知らずに。
リオン様の長い睫毛がゆっくりと持ち上がって、青い潤んだ瞳が僕を真っ直ぐ見つめた。
甘い吐息をつきながら、もっと口づけて…と囁かれた僕は、一生この魔物に囚われてしまったと喜びと諦めに似た気持ちになったと思う。
そして夢うつつに思いのままに口づけた僕は、唇にぬるりと柔らかい舌の感触を感じた瞬間、身体が震えて瞬時に僕の中心が持ち上がったのが分かった。
リオン様の前から逃げ出した僕はあれから毎日、思い出してはこうしてベッドで悶え唸るしかないのだった。
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