第4話 完璧でなければいけない人へ

【完璧でなければいけない人へ】


小説家として、必要なもの。

個性。

個性ってなんだろうって思うんです。

個性って、自分らしさとかなのでしょうか?

じゃあ、自分らしさってなんだろうって思うんです。

じゃあ、自分ってなんだろうって思うんです。

もう迷宮です。

どんな名探偵でも、敏腕刑事でも、天才学者でも解く事は難しいでしょう。


じゃあ、僕的な答えを出しましょう。

僕は、名探偵でも、敏腕刑事でも、天才学者でもない。

でも、その人たちと違うのは、真実はどうでもいいと思っているからです。

僕は、唯一の真実なんて求めてない。

求めているのは自分が納得できる自分なりの真実。

それなら、いくらでも答えを持ってる。

個性というのは、

『自分の綺麗でなく、荒く、汚い部分のこと。』


洗練されたものでは決してなく、本当に荒削りのもの。

綺麗でないから、荒いから、汚いから、個性的になる。

完璧なものは個性的とは言えない。

完璧っていうことは、それ以上がないということ。

最終的には、どれもこれも同じものになること。

完璧というのは個性とは対極的なもの。


完璧主義者の方。

僕もそうでした。

完璧を求められてましたし、完璧でなくてはいけないと自分を責めてました。

でも、思ったんです。

完璧な人間を愛してくれる人はいるのかなって。

何も欠点のない、非の打ち所がなく、聖人君子で、イケメンもしくは美人、自分で全て完結する人間。

確実にいい人。

モテそう。

ぜひ友達に・・・なりたいのかな?

可愛らしさも・・・ないかな。

逆に完璧ではない、自分では何もできない赤ちゃんはどうかな?

可愛らしい。

いい人かはわからないけど、確実に愛情を持って接してもらえる。

(とんでもない親もいるけど。)

周りを笑顔にしてくれる。

あれ?

僕はこっちの方が、いいのかもしれない。

赤ちゃんになりたいというわけではないけど。


個性って、完璧でないこと。

個性って、あなたが愛される理由のこと。

個性って、あなた以外とあなたを分けるもの。


仕事を完璧にノーミスでできる人もいるかもしれない。

でも、その人に手を貸そうと思わない。

ミスしないから。


完璧に演じることができる俳優はいない。

それでは、その人が演じる意味がなくなるから。

その人である意味があるから演じるという表現になる。

完璧にできるなら、演じるではなく同一人物でしかない。

そこにあなたはいない。


完璧な宗教はない。

いまだに様々な解釈が研究されているから。


完璧な物語はない。

いまだに作家、作品が生まれるから。


完璧な世界はない。

完璧であるなら、何も学ばなくていいから。


完璧でないから愛される。

完璧でないから応援してくれる。

完璧でないから研究する。

完璧でないから学ぶ。

完璧でないから生まれる、生む。

完璧でないからあなたがいる意味がある。

完璧でないから尊い。


真実を探究しなさい。

誰もが、面白いと思ってくれるものを作りなさい。

優しい人でありなさい。

人の役に立ちなさい。


でも、決して完璧ではあってはならない。


『僕の世界に僕はいらない。【完璧でなければいけない人へ】』

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