第18話 荒事の支度

 宣戦府布告は近々巷間の噂通り、天熊総合学園の本館最上階にある理事長室にに出頭すべしという内容証明付き文書が有象無蔵の自宅の玄関の郵便受けに今日か明日、遅くとも明後日ごろまでに郵便局の配達員さんが、直節両手に仰ぎ持って、緊張感と身体中ビリビリサビ付いた感触のため、Kure550を必要とするくらい神経が緊張しプルプルと全身の緊張が配達員さんの両の足の動きがまるでサビがびっしりのように堅苦しいブリキ人形のようである。希によると、有象無蔵邸は緑区で一番の高台に建てられているので比較的配達員さんがレギュラーだと。その配達員さんも無口でよく働くとも希が教えてくれていた。お隣りの二井野海人さんも褒めていたという。

 ところがそんな配達員さんと希との間で『お国訛り』が原因のトラブルが起きた!  

 のちの市民オンブズマンの情報開示請求によって公開された神奈川県警緑警察署による『トラブルの調査報告書』もしくは『神奈川県警察本部長・鎌倉太郎・週刊令和時代』テゴマスホーチ! ではなくて『有象無蔵教授邸における日本郵便配達員とのトラブルの調査報告書 報告者・神奈川県警察本部長鎌倉太郎』によると、 

「余にも通じない『山形なまり』は身を滅ぼしかねぬ」

 とか、

「秋田言葉で言わねばわからんず!」

「ああ? 『エア地域規定』わはりんだべか?」

「ええ、あお!」

「いっぱら」

「箔を売るぽ?」

 

「日曜日規定、はんだ」

「のぞみぬゆ?」 

「ああああー青い海!?」


「なんとうかぬっはないで?」

 希はなにを喋っているかわからない。しかし、希もなにを話しているかわからない。同郷の人以外は、たとえ同じ旧出羽国であっても訛っていたら分からない。ましてや秋田と山形では環境も人種も違うくらいの気持ちで丁度良いのだろう。

 結局、しっかり希が怖がっていたので『緑郵便局』の本局長と面談して山形生まれの男には異動をして貰った。度が過ぎた純朴さと、

余りにも通じない『山形訛り』は身を滅ぼしかねぬという教訓。それらを「そっぷ型の私が、上手に有耶無耶にしまっせ。あ、念の為、お知らせいたしますが、私は『出張・お宝探偵団』では有りません。姓・氏・苗字・諱・字・幼名・通称・官職・仇名・隠居名・法名・諡号・亭号・洗礼名・四股名・異名くらいは大いに興味が大いにある『開運! 名付け諸問題万事解決・東京坂東和琴でございますよしなに』ああ〜、みたいなモヤモヤさまあは感じないでください。大尉へ、ご無礼いたしました。ありがとうございました。

 その間、山形県新庄市出身、好きなカーリングチーム・ティモンテディオ山形、希の好きな戦国時代の武将・最上義光、あき竹城、渡辺えりチームにはあんまり全国ネットのテレビにはもうちょっとという普通のからくり仕掛けの茶運び人形のではなく新しい郵便配達員の着到は昼食とおやつを食べて昼寝してのんびり待つくらいの心構えものになった。


 よくわからない? わたしも分からないから大丈夫ーだだあっ!


 結局、郵便局の兄ちゃんが有象邸の玄関までたどり着いたのは、午後4時過ぎだった。最後まで死ななくてよかった。来年は『24時間テレビのチャリティー・ミュージック・マラソン』に出ても許されるのではないか? ただ日本中の方々から「コイツ誰?」、「郵便子局の制服を着てるぜ。暑くねえ?」「あそこ、エアコンないからな」などなどと言われている。そういうきみたちは誰なのだ! 分からないのか!

 とういう『真珠湾か九郎判官義経か!』的なことは、正々堂々とトリックスター流の奇策の立案を楽しむ理事長、いや敵軍の総大将・諸葛純沙の上得意さまだ。全くあそこまでの大トリックがただやりたいいだけならば、島田荘司先生の弟子になればいい。ここまで来たら私は正直、もう一片の迷いもないい。それはさあ、流石に礼を失する行為だろう。速達で届きそうな感じもする召喚状も(別便ね)と『内容証明同封』の『大宇宙憲章に基づく・宣戦布告状、本日午後五時・日本標準時UTC・JST』なんて奇襲も純沙のこのまざらなぬところである。(私の方が敵の総大将のプロファイリイング完璧ではないか? あの女の不受理のから逃げ切ったったのだら)という自賛。私は物心ついてから、ほぼ、仮面を被った双子座の男である。


 有象は横浜市緑区の64町内医会長を自分の邸宅に招いた。そこに

『リアル・フェイス』で紅白歌合戦初出場。

『カトゥーウン』の三名も呼び出して、

「合戦シミュレーションだから派手にひとつお願いします」

と煽り、こっそり興奮剤を飲ませすてませこいつらを『官職名』で呼ぶことにした。

 亀梨兵部大輔、中丸兵部少輔、上田兵部大丞の三人がスペシャル兵部省で 出陣式!


 まずは、アイドル大将たちだ!


 別に、彼らの役目はなくってただもう格好がいい武将が、派手な甲冑をキメテ、戦って叩きまくって、

『もっ、おおーうう!』

『はあっあっー! 派手なおOK! ギリギリで生きて行こうぜ!』

 と刀剣乱舞して他のグルーピーと相乗悪果してもドタキャンしても構うもんかい。


「ああーそうでした!」斉藤剣京が興奮気味見に、

「言い忘れておりました、けけれど、今回の合戦は『後妻打ち方式』の変形で行われます」

 のだそうです。

「この『後妻打ち』中世の頃に自分の亭主が外の家に女を囲っている事が露見したとき、正妻側がお妾さんの住まいを棍棒やらなんやらかんやら女性のあらかた全部ぶち壊していくんです。それに対して、おめかけさんサイドは抵抗をしてはいけません。抵抗すると相手サイドに殺してもいい『許可』が出ててしまいます。おめかけさんサイドは、相手の気がすむまで息を潜めて待っている。そのかわり無抵抗の女を殺したら正妻の方が制裁される恐れが出てきます」

 まあ、普通の『後妻打ち』の場合は正妻側が一方的に攻撃するという、ある種の意趣返しなんですキェれど、今回は両方が攻撃しますので、軍略がかなり必要になります。


 わーあーやだなあ、

 

 その不信感。

 あれですよね!

 私の軍略がそれにはるか、インドメタシン……ではなくて、アンドロメダ星雲にさ。しかし、そえほどの差は、正直ないよ思いすよ。だってですね、諸葛純沙は確かにものすごく優秀な女性かつ『宇宙一の大軍師』という『二つ名』も持ってはいるのでしょうがいるのでしょうが……… 

 あの宇宙人は挫折を知らなさ過ぎる。負けをつけないといけないない?

 ああ私が何故、敵将の晴虎? の心配をしているのでしているのでしようかねえ?


 さて、六十四町内位会長様方には「区階位・五音』に処されます。『久遠権介』みたいにね。もちろん、『任官拒否』希望される方も居られると思います。ご遠慮なくどうぞ!


「先生よ、そりゃあまりにも、他人行儀じゃねえかい!」

 中谷駅前商店会長の恩田が強く言う。

「ここらの奴らは多かれ少なかれ、有象先生の爺じさまか、先生の父上に大変お世話になって来たんだぜ。無象さんにも当然さあ大恩がある。オレの苗字はかんけい無くなあなあ〜」

 六十四人が一斉に大爆笑する。

(そんなに面白かったかしら?)

 有象だけが、小さな疑問を持ったか、ぽうーっとした。


「申し訳無いのですが、みなさん。私は武力の素養がないので、総大将は剣京でお願いします」

 有象が言うと、

「異議なし!」

「まあ。なっても郊外さんくらいかな」

「なんか〜な?」

「では、まず六十四名を識別する1〜64の個別番号です。『緑ぺい』カードか『黄緑Eペイ』のパスワードを無くさないでください」

「」

「みなさんの重要な任務は日産スタジアム集結する敵兵への奇襲とゲリラ作戦です。ただし囮なのっで、キバって棒バシばしですね。デバ叩き売り第3弾までいいってことです」

「うーむ」

 剣京の言う事もわかりづらい。希の方言が移ったか?

「次が主力①です。事前にコミッションとアンパイヤー方にに『物故者・レスラー力士・野球選手・ラグビー・剣術・柔術・空手・俳優・噺家などの登録は無理ですよね? と聴いたらなんとOkだったのでした!』

「どこの生まれの人でも良いの?」

 長津田の大巨田さんが訊いて来る。

「はい。『機銃・猛獣・化物・妖怪・ペスト・新型コロナ・エイズ・

・武田晴虎以外はだいたい承認されました」


「『物故者』もかい?』

 八朔さんだ。

「はい」「ねえ、剣京くん、

さあ、『毛利輝元』みたくこの地に縁もゆかりもない人でもいいの?」


 と流元さん。

「ええ。徳川さんでも前田さんでも上杉さんでも宇喜多さんでも小早川さんでもOKだと思います」

「すごいね」

 みなが向首した。


 はい。次回、大団円だよ!

















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