小説を書くこと


 小説とは、ときに人の心を動かす。それは、素晴らしい内容を読んだときと小説を書こうという気がありながら書けない状態に陥るときだ。

 かれこれ、一ヶ月は考えていたが、何かどれも面白そうな話ではない。電車の中や、布団の中、机の上に座りながら脳内でストーリー制作を進めるのだが、そのすべてが脳内打ち切りを余儀なくされた。

 小説、特に物語を考えることは、死ぬより難しいことだ。ううむ、実に難しい。いや、この表現も不適切か。生きるより難しいでもいいか。

 それで、他人はどんな作品を作っているのかと、刺激を得るために小説を読もうと考えたが、最近の小説はどうも読む気にならない。どれも似たりよったり。

 どうだろうか、その、異世界なんちゃらとか言うのを一旦やめてみては。私に、いい案がある。異世界に飛ばされた主人公というのは、大抵、死ぬかこの世に残らんだろ?だから、その主人公が消えた現実世界で残された家族の……。待て、やめた。面白くなさそうだ。ううん、難しい。悩むな。

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