第32話 海風先生の魔法授業 6 模擬戦中盤  ~バーサーカー状態の海風~

問題は、どうやって海風の魔法を防ぐかだ


当然俺もアイス・ウォール氷の壁を展開しているが、


その間ずっと魔力が減っていく


俺の作戦は最後に最大限の魔力を使って海風の魔法防御力を上回らなければならない


ということは、魔力は出来る限り温存しておく方が良い


となれば答えは、一つ




「逃げながら 局所局所に氷の壁を展開させ


 出来る限り魔力を抑え 海風に高火力の魔力の消費の激しい


 魔法を放ってもらう それしかない」




そういった瞬間


「何をブツブツ言っているのですか?


 まぁいいです【神上級氷魔法:アイス・ロック《氷の塊》】」




「え?」


突然俺のいた場所が暗くなった


「まさか【中級氷魔法:アイス・ウォール《氷の壁》】」


上空から一辺5メートルぐらいの大きな氷の塊が


落ちてきていた


俺は、氷の壁で時間稼ぎをして逃げた




(くそっ 言ったそばから魔力使った


 どうすればいいんだ)




「まだまだですよ【神上級氷魔法:アイス・ロック《氷の塊》5連発!】」




「うおっ!」


逃げても逃げてもその場所に的確に氷の塊を落としてくる


でも


俺は、ニヤリと笑った


「あれだけ大きな物体を出してるんだ


 相当魔力も使っているだろう


 というより使っててもらわないと作戦が発動する前に俺が死ぬ」




「兄さま 大丈夫ですか?


 まぁ兄さまなら大丈夫でしょうけど


 では、行きまーす! 【神級氷魔法:アイシクル・ストーム《氷神の竜巻》】」




「え?」


どうなってるんだ


目の前に現れた竜巻の中に水色に輝く刃


それが今俺の方へ向かってきている




当然ここにいても確実にミンチにされるし


突撃してもミンチになるだろう


そして、【中級氷魔法:アイス・ウォール《氷の壁》】を何重にもして自分を囲っても


破壊されてミンチだろう




どうすれば良いんだ


こんなの勝てるわけないだろう


その間にも刻々と進んでくる氷の竜巻




「ふふふ 兄さま降参しても良いですよ


 そもそも兄さまに勝てるわけないのですから


 でも、もし勝てたらなんでも願い聞きますよ。


 まぁ無理でしょうけど」




「ん?」


何かおかしくないか


いつもの海風がこんか人を煽るような事を言うか?


そういやこの模擬戦始めたのもおかしくないか


いや確かに俺も少し言ったけど


魔法授業の延長線上なのかもしれないけれど


なにかおかしい気がする。




おそらくこの魔法は確実に俺を殺しに来ている


いつもの海風じゃあ模擬戦とはいえこんな魔法を使わないだろう




ということは


この海風は、何かが乗り移ったか


極度に興奮状態 言うならバーサーカー状態だろうか




そしておそらく前者ではないだろう


ということは、バーサーカー極度の興奮極度の興奮状態だろう




バーサーカーは、強い代わりに興奮以外の何も感じない状態


ということは、海風の専売特許の優れた洞察力、発想力、思考力、観察力が


低下もしくは、無い状態




これは、作戦成功いや海風に勝てる!




となれば今の内に海風を倒した方が良いだろう


もし仮にバーサーカー状態じゃなくなったら絶対勝てん




ここは、今の海風の考えている事の裏をかかないといけない


そしておそらく今海風の考えているのは、この氷の竜巻で俺を倒すことだろう


なら


「氷の竜巻特攻か」


海風との模擬戦は、終盤へと差し掛かってした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る