第26話 兄妹の魚獲り
「兄さま 起きてください。」
「・・・」
「兄さま 起きてください
起きないとイタズラしちゃいますよ。」
「っ おはよう海風。」
俺は、海風から嫌な気を感じたので飛び起きた。
「もう 兄さま 起きなくてよかったのに」
「いやいや 起きろって言ったの海風だろう。」
「・・・もう少し兄さまの寝顔が見たかったのに。
残念です。」
「いや 見るなよ」
地球でも起きたらいつも海風がベットの横にいたのは、
俺の寝顔を見るためだったのか。
「ふふっ では、朝食の準備をしに行きましょう。」
「いや・・・まぁいいか そうだな海風さっそく出かける準備をしよう。」
そう言って俺は、布団の代わりとして使った上着をまくった。
「では、準備も出来ましたし 出発しましょう!」
俺と海風は、3分程で支度をして、
昨日見つけた小川へ出発した。
「ふう~ やっと着いたか~」
「そうですね。 森ですし仕方ないですよ。」
森が無ければ5分程度で着くはずの小川も
森×ダンジョンと言うことで道に迷ったりゴブリンや毒蜘蛛が、結構いたりしたため
撃退するのに時間が掛かり、結果としてイグルーを出てから40分以上掛かってしまったのである。
「まぁ 着いたから良いか。
それよりも早く魚を獲って帰ろう。」
「そうですね。 それでは兄さま、手分けしてやっていきましょう。」
「そうだな 始めるか 海風」
俺と海風は、小川の上流と下流に分かれた。
俺は、氷魔法で魚や近くの魔物
海風は、下流で俺の取り逃がした魚を獲るという配置になった。
だが、俺は気になることがあった。
「海風 魔物って食べられるのか?」
「ええ 中には食べられない魔物もいますが、
基本的には、食べれます。
それに食べられなくても武器や防具に使えますから。」
「そうか 分かった。」
俺は基本的に【氷魔法:アイス・ランス《氷の槍》】を
10秒ぐらい連射して魚を串刺しにしていた。
ただ、10秒間も連射するため魔力の減りが半端なかった。
俺は大体7分間ぐらいで魔力が尽き、その場に倒れた。
「兄さま 気が付きましたか?」
「? 倒れたのか。」
「ええ 始まってから15分程経って様子を見に来たら
川辺で倒れていたので魔法で運んできました。」
「そうか ありがとう海風」
「いえいえ おそらく魔力を使いすぎて魔力切れを起こしたのでしょう
しばらくは、ここで安静にしていてください。
朝食は私が作ります。」
「・・・頼んだ 海風
それで料理出来るのか?」
「それぐらいできますよ
今回は、ただ魚を焼くだけなのでと簡単ですが、」
「・・・そうか まぁ黒焦げにはしないでくれ。
・・・それで火はどうするんだ?」
「黒焦げなんてしませんよ
それと火に関しては、火魔法で一応使えます
ただそこまで得意では、ありませんが」
海風は、まず最初にさっき獲った魚を木の杭に刺し
火魔法で集めた枝に着火し
魚を焼いていった
だが、先ほど立てたフラグのせいか、
案の定黒焦げとなった。
まぁ味は、美味しかったからいいか
ちなみに海風は、一匹も魚を獲れなかった事を言っておく
その後は、俺の魔力が回復してそのまま帰った
その時海風は、なぜか泣きそうな顔をしていた。
そして、この後海風が地獄の魔法授業を計画していることに
俺は、まだ気づいていなかった。
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