第23話 脱出作戦 最恐ダンジョン突入!

「ふう~」


俺は、ラーモンドの屋敷から外に出た。


そこには、大きい池がありその向こうには、城壁も見えた。




そして、嬉しい事に見回りの騎士がおらず


逃げるのに最適な所だった。




「ただまぁ 牢屋の裏とはいえ


 壁も薄いし、騎士も見えないし 警備弱すぎるだろ」




(まぁまぁ兄さま 騎士がいないのは、今に関しては、


 いい事ではありませんか。)




「まぁ そうだな


 で、とりあえずこの池を渡るか。」




(ええ ですが、凍らす事も出来ますよ。)




「そうか 頼む 海風」




(はい 兄さま


【神級氷魔法:アイス・エイジ《氷の世界》)




ピキン


目の前にあった大きい池は一瞬で凍りついた。




「海風 すごい魔法だな


 でもなぁ」




海風の魔法は、池だけでなく周辺の森や大地も凍り付かせていた。




(申し訳ございません。 兄さま


 この魔法は、本来対集団戦に使用される部類なので


 こんなに小さな対象では、周囲にも被害をもたらしてしまいます。)




「だから こうなったのか。」




(ええ 申し訳ございません。 兄さま)


海風は、うつむいてしまったので




「いや 海風はこんなすごい魔法が使えるのだから


 すごいと思うよ。


 それに失敗は、あると思うし。」




(ありがとうございます。 兄さま)




「では、気づかれる前に行こうか 海風」




(はい 兄さま)




海風の機嫌も戻ったので


先を急ぐことにした。




先ほど海風が使った魔法は、おそらく結構強い魔法だろう。


そんな魔法を使ったら


音は少なくても、魔力が見える人が仮にいたらすぐに分かるし、


海風の話を聞く限りこの池を渡るために張った氷もすぐには、解けないと思う


そして、どのみち明日には、牢屋から脱出した事がばれる


少しでも距離を稼いだほうが良いだろう。




ということで今、ラーモンド屋敷から近くの森に入った


理由は、身を隠すためだ。


無いだろうが万が一 騎士にばれていたらやばいし、


仮にばれていても出来る限り見つからないようにするためだ。




だが、異世界系のラノベを読んだ人なら分かると思うが、


森は、魔物が多い


特に夜は、日中の二倍以上の魔物がいると


専属メイド兼騎士団長のハンスが言っていた。




なので今


「聞いていたが、これの量の魔物はないだろう。」


普通こういうのって領主とかが、騎士や冒険者を派遣〈依頼〉して


間引きするもんじゃないのか。




(森で街が近くで魔物が多い これってルーズ王国の三大ダンジョンだと思います。)




「ルーズ王国? 三大ダンジョン?」




(ルーズ王国とは、ラーモンドなどが、仕えている王国で


 この大陸で二番目に大きい国です。


 そして、三大ダンジョンとは、このルーズ王国にあるダンジョンの中で


 一番凶悪で規模が大きい三つのダンジョンのことです。


 そして、三つのダンジョンには、それぞれ名前がついており




 王国の東にあるダンジョンは、溶岩の洞窟




    西にあるダンジョンは、怨念洞窟




 そして、この北ダンジョンは、氷神の山脈です。)




「氷神の山脈?」




(はい 兄さま このダンジョンは、ダンジョン内の魔物が、


 外の街などに出る事が無いため ラーモンドも騎士や冒険者を派遣する事は、


 ありませんでした。


 そして、このダンジョンの魔物は、とてつもなく強くて


 冒険者ランクでS以上は、入れませんでした。


 理由は、過去に入ったAランク冒険者が、いつまで経っても帰ってこなかったためです。


 しかもそれが、何件もありました。)




「そうか でも俺は、大丈夫なのか?」




(正直言ってギリギリです。 でも、ここを抜けた方が早く街道に出れます。


 最短距離で行きますし、


 私が一生懸命サポートしますので。)




「頼む 海風」




(はい 兄さま)




こうして俺と海風は、ルーズ王国最大で最恐のダンジョン攻略に


入っていくのだった。

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