第1章2部 脱出作戦
第17話 脱出前夜
(兄さま 起きてください)
「うん?」
俺は、ゆっくりと起き上がった
その瞬間
ズキン
「うっ」
頭に強烈な痛みが走った
ハンマーなどの鈍器で殴られたような
痛みがした
(大丈夫ですか? 兄さま)
「・・・ああ 大丈・・・夫だ」
(全然大丈夫じゃないじゃありませんか)
「・・・いや大丈夫だ
それよりもあれからどうなった?」
(・・・しんどくなったら言ってくださいね)
「分かった その時は、頼む海風」
(はい
兄さまが失神してから騎士団長のハンスが
発表をしました)
「発表?」
(ええ 内容は、明日午前9時から兄さまの処刑をする
というものです。)
「え? 俺やばくね」
(ええ 相当やばい状況です。
ですので今夜中に逃げましょう。」
「ああ そうだな
だが、どうやって逃げる?」
(具体的には、決まってませんが
氷魔法で破壊したり、
私が、霊体化して鍵を開けたり、
それこそ、この屋敷の人間全員殺すというのもありますけれど。)
「・・・最後のは、却下だ
さすがに残りの騎士を倒すのは、多分無理だし
殺しちゃったら俺たちの正当性が無くなる。」
(そうですね。
では、兄さま残りの二つは、どうですか?)
「そうだな
二つ目は、時間がかかるし
万が一誰かに見られたら騒ぎになる」
(ですが、兄さま
私霊体化しますよ。)
「ああ たしかに幽霊になれば
見つかりづらいが、
勝手に扉があいたりしたら怖いだろ。」
(そうですね。
考えが足りていませんでした。)
「いや 貴重な意見ありがとう 海風」
そっと海風の頭をなでた。
(きゃっ に、兄さま 驚かさないでください。)
「ごめんごめん」
(もう では、兄さま最初の作戦でいいですか?)
海風は、一瞬顔を赤らめたが、すぐに真剣な表情になり
続けた。
「ああ 氷魔法で牢屋を破壊する。」
(分かりました。
私も頑張ります!)
「ああ 頼む 氷の女神アイシクル様」
(はい! って海風でいいですよ!兄さま)
「ごめんごめん」
(もう)
「ちなみに 俺どれぐらい失神してた?」
(だいたい 二時間ほどです。)
「ということは、今の時間は、」
(ええ 午前1時頃です。)
「だいたい人の集中力が切れるのが、深夜午前3時だから
後二時間ほどで脱出しないといけないな。」
(そうですね。)
「せっかくだし 少し寝るか
海風 時間になったら起こしてくれないか?」
(いいですよ 女神や精霊は、睡眠をとらなくてもいいですから
ですが、一つ条件があります。)
「条件?」
(ふふ 教えませんよ 兄さま)
「そうか すごく気になるが
まぁ少しぐらいならいいか」
(ふふ)
「・・・おやすみ」
(おやすみなさい 兄さま)
私は、そっと
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