第二章 新たな出会い-7

「あれ、ヤムさんにカイン。どこに行ってたんだよ? 今からチャンシンケンをマスターするんだろ? 特訓だな!」

 ハザードの言葉にカインとヤムは大きく笑う。

「何で笑うんだよ!」

「ハザード、もう出発だぞ。用意しろよ!」

 カインは腰に剣を携えようとして自分の剣がないことに気が付いた。

「あ! 剣がない! そうか。あのとき! ヤム。俺の剣まだあそこに落としっぱなしかな?」

 カインは慌てる。チャンシンケンをマスターしたとはいえ、大事な武器だ。無くすのは痛手だ。ヤムはそんなカインを見て、一本の剣を差し出す。

「これのことか?」

「あ! ヤム! お前って奴は隅に置けないぜ」

 カインはすぐにヤムから剣を奪い取る。ヤムはちゃんとカインの剣をあの場所から持って帰っていたのだ。


「ありがとな。ヤム。リンネ」

「チャンシンケンは結局、マスター出来なかったけど、剣術はなんとなく上がったから良しとするよ」

 二人はヤムとリンネに礼を言うと、洞窟内から出て行く。


「ハザード、お前にはチャンシンケンを教えられなかったが、カインはしっかり身につけた。これからは二人で力を合わせて……」

 ヤムの言葉を全て聞く前にハザードは声を上げる。

「えー! カイン! チャンシンケン、身につけたのか!?」

「あ、あぁ」

 ハザードはずっと眠っていただけでカインがそんなことをしていたとは全く知らなかった。

「いいなぁー。今度会うときは絶対俺にも教えてよ! ヤムさん!」

「分かった。でも、まずはヤドカリ以外を捕まえることからだな。はっはっは」

 みんなしてハザードを大きく笑う。ハザードは「そんなぁ」と言葉を失っていた。

「次に向かうのはドリッジ村か?」

「あぁ。その予定だ」

 ドリッジ村に行くことを告げると、リンネから新しい情報を得ることとなる。


「ドリッジ村へ行くのでしたら、途中あたしの村に寄ってみてはいかがでしょうか?」

「リンネの村?」

 ハザードが聞き返す。

「はい。あたしと同じように精霊として二人の力になる者がいるかもしれません。行って損はないかと」

 リンネは村がここから南にあると教えてくれた。リンネの村から東に行くとドリッジ村に着くということも教えてくれた。


「わかった。ありがとう。まずはリンネの村に行ってみるよ。二人とも助かったよ」

 ハザードは礼を言って歩を進める。カインはヤムに「ありがとな。世話になった」と一言告げると、ヤムから「達者でな」と言葉が返ってくるのだった。

「お元気でー!」

 リンネの声が二人を後押しするのだった。


第二章 新たな出会い ―完―

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Legend of... コロ(coro)/向日葵/兼高貴也 @himawari_sakka

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