第12話 のぞき!

 夏休みに入り、俺とあらたの生活が始まる。

 あらかじめ、二人で取り決めをしていた、午前中は夏休みの宿題をそれぞれする、

昼から二人で答え合わせをする、夕食まで自由時間、入浴後、俺の部屋で大学合格目指して参考書を勉強、参考書は二人で買ってシェアすることにした。

 初日、午前中、新の割り当てた宿題の量は少し多いと思ったが、少し時間が余ってしまった。

 去年まで宿題を初日から手を付けることはなかった。

 いつも、休みの終わりになってやっつけ仕事でこなしていた。

 う~ん、実際やってみると一学期の復習内容だった。

 新との生活は、俺に大きな影響を与えているようだ。

 ドアがノックされ、エプロン姿の新が

   「昼食の準備できたわ。」

と声をかける。

 新は宿題を終えた後、母を手伝っていたようだ、しかし、エプロン姿の新はいい、俺の悪い性格だけは治らないようだ。

 食事が終わると俺の部屋で宿題の答え合わすをする。

 俺は途中眠気に襲われる

   「聞いてる、たまる。」

   「ごめん、ちょっと眠気が出ただけ。」

すると新は俺の横に正座して、太ももをたたく

   「膝枕ひざまくら、してあげようか、少し昼寝する?」

俺は一気に目が覚めた、男の夢、女の子の膝枕である、昼寝どころではない、驚いた、我慢、我慢・・・理性を何とか取り戻す

   「大丈夫、答え合わせ続けよう。」

   「残念。」

新は本当に残念そうである。

 答え合わせが終わって、新は自分の部屋に戻る、俺はもう一度、今日やった宿題を見直す、新の方がよく理解していたからだ、新にたよりっきりではいけないと思っているのだ。

 新の部屋が、騒がしい、部屋の整理でもしているのだろうか、俺は言えば手伝うのにと思いながら、新の部屋へ行く、ノックして

   「新、入るぞ。」

と言ってドアを開けると

   「ち、ちょっと。」

新のあせる声が聞える、新は水着を着ているところだった、しゃがみ込み、背中を向けると

   「きゃー」

と叫び声をあげる、俺はその場に凍り付いてしまった。

 母が上がって来て、俺を殴る、俺はのぞきの現行犯となってしまう。

 俺は今、居間で正座している。

 母と新が入って来る、俺は腹をくくって土下座をする。

 母は

   「のぞきだったら警察に突き出してやろうかと思ったけどね。」

   「あんた、なんで新の部屋へ行った?」

俺は正直に答える

   「部屋の整理していると思って手伝おうとしました。」

   「本当にバカだね、入っていいか確認しないのかい。」

   「失念していました。」

母のため息が聞こえる。

   「新ちゃんは水着の試着していたんだよ。」

   「でも、騒がしかったけど?」

俺の疑問を口にする

   「それは、水着が入らなかったから。」

俺は口を滑らす

   「太ったの?」

新がすごい目で睨む、母の目も冷たい

   「太っていません、胸がはいらないだけです!」

叫んでから、新は真っ赤になる。

おー、ダイナマイト!

   「余計な事、考えるんじゃないよ。」

母が俺をしかる、なぜ分かった?俺は新に謝る

   「悪かった、これからは開けていいかちゃんと確認します。」

母は新に聞く

   「新ちゃんどうする。」

   「たまるになら見られても・・・」

新の歯切れが悪い

   「たまる、見たの?」

   「見ました、背中。」

新は笑い出して言う

   「許すも何も、いいわ。」

母の指示で明日、新の水着を買いに行くことになる。

 そして、入浴後の勉強の時、いっもの新だった、俺が新の胸を意識しながら勉強していたのは言うまでもない。


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