デマのいっかん

バブみ道日丿宮組

お題:黄金のデマ 制限時間:15分

デマのいっかん

「私が魔王様になったらどうする?」

 デートが終盤戦にかかったところで、彼女が問う。

 とてもラブホで話すようなものではない。

 大体なんで魔王なんだ? SMをいいたいなら、女王様や、下僕じゃないのか? あるいは……コスプレ? 特殊なものが好きって話は付き合って3年になるが聞いた覚えがない。

 確かにブルマとか、スク水プレイをしたくないわけじゃないが、それを言葉に出したこともないし、部屋にそういったものを判別するものがあるわけでもない。

「そんなゲームみたいなことが起こるわけがない」

 自分の口から出た言葉は当然のものだった。

 超能力者がいたり、宇宙人が来訪したり、未来人が訪れたりすることはない。いや……確認されてないだけでいるかもしれないが、世界情勢を変えるほどの事件・事柄は発生してない。

 テレビに出てる人には必ずトリックがある。

 透視であれば他人が見てるか、予め設定されたものを出すようにするなどの手段がとられる。

 宇宙人であれば品種改良された実験動物、あとは人間が動物を犯して生まれた特異体。

 予言であればただの願望、またはテロリストとして事件を実際に起こす。

 そうしたトリックがあるのが、この世界だ。

「ここが現実じゃなくて、並列に繋がれた脳みその世界だったらどうする?」

 理解できにくいことをさらに彼女は続けた。

「それこそ物語にある空想で、現実的じゃない」

 空想は物語にあるからこそはえるものであって、実際にあるのだとしたら、それはもはや空想ではなくただの歴史となる。

「いつか目が覚めたら、そう思わないかもしれないよ」

「……急にどうした? ひょっとしてデート楽しくない?」

「そんなことはないよ」

 可愛らしい笑みが返ってきた。そこに嘘偽りはなさそうだ。

「大体こんなに柔らかいものが非現実なんていうのはおかしい」

 彼女の両胸をこねこねともみ続ける。それにつれて愛らしい吐息が彼女から漏れる。

 これが空想だというのであれば、創造主はかなりの変態であろう。

「そういうのはいいからさ、しようよ」

 時間は限られてる。限られたものをいかに利用するか。それが大事だと思う。

「今日は長いもの持ってきたんだ」

 自分の陰部に長いバイブを突っ込むと、彼女に覆いかぶさる。

「いろんなの持ってるね」

「空想と違ってちゃんと調べてるからね」

 そう。ネットサーフィンと、通販でなんでもできる。

 愛を深めたり、お金を稼いだり。

 空想とは違う現実が確かにここにある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

デマのいっかん バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る