145 高度経済成長期

(喋っていたら下校のチャイムが鳴ったので校舎を出るオタクちゃんこと真野とギャルちゃんこと有紗)


「なんかしゃべり足りないね。なんていうか……中卒がおかしくなかった高度経済成長期だったらって何度も思ってた。思ってたような高校じゃないし」


「まあ……ここすっごいバカ高だもんね」


「でも中卒や最初の志望校じゃアリサちゃんに出会えなかったんだよね。だから結論としてこの学校行ってよかったんだと思う」


「あたしも家で見習いやってたらマヤちゃんと友達になれなかったんだよね……」


「なんか……さ、わたしがこの学校に入って、たぶん親はがっかりしたんだと思うんだ。もっといい高校に入れると思ってたと思うんだ。でもアリサちゃんみたいな友達がいるって知ったらさ、素直に勉強とか応援してくれるようになったんだ」


「それはよかったじゃん! あたしはパッパラパーでここ入ったからさ、マヤちゃんみたいな賢い友達できてうれしいよ」


「きっとさ、出会うべくして出会ったんだよ、わたしたち……」


「なんかロマンチックだね……でもさ、ここ就職も進学もキツいって噂じゃん、それはどうするの?」


「……そうだね……確かに……」

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