143 「あぅ」

(まだまだ話すギャルちゃんこと有紗とオタクちゃんこと真野)


「同人誌即売会、すごく面白かったよ。こんな面白いの、マヤちゃんと一緒じゃなきゃ体験できなかった」


「そう思ってくれてるなら嬉しいよ。わたしも、アリサちゃんと同人誌即売会に行けて、昔の嫌なやつらにアリサちゃんが友達だって見せられてよかった」


「あー……捏造の人たちね……あの人たちはあの人たちで楽しそうだったよね」


「うん。なんかスッキリしたよ。わたしはあいつらと同じ高校に行ったとしても楽しくなかったってハッキリわかった。アリサちゃんと一緒でよかった」


「なんかさ、あの人たちマヤちゃんのこと基本的に無視してたじゃん。あいつらはあいつらで、マヤちゃんのこと見下してたんだよ。そんなやつら友達じゃない」


「そうだね。うん、やっぱりアリサちゃんが一番いい友達だよ。あいつらが本当に友達だったんなら、なんか声とかかけてくると思うんだよね」


「うん、あたしもそう思ってた。いつ話しかけてくるかなって。話しかけてきたら思い切り煽ってやろうと思ってた」


「なかなかアリサちゃんらしいね」


「てゆかマヤちゃんさ、最近『あぅ』って言わないよね」

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