142 怖いこと

(まだまだしゃべり足りないオタクちゃんこと真野とギャルちゃんこと有紗)


「ずっとさ、それぞれの趣味の話だけでここまでもたせたけどさ……いまなら本音が言える気がする」


「ほ、本音? なんか怖いこと?」


「怖くないよ。わたしがアリサちゃんと仲良くなれて、アリサちゃんがわたしの気持ち悪い趣味を面白がってくれて、ありがとうってこと」


「やだ……照れるじゃん……あたしだって、マヤちゃんにいっぱい無理させちゃったじゃん」


「……でっかいドールさん連れ帰って、なんて言われた?」


「お父さんお母さんはかわいいねって言ってた。お兄ちゃんはなんかニヤニヤしてた。なんか怪しいからオクに出されないように隠してる」


「やっぱりかあ……あの子、美少女ゲームのキャラのドール化なんだよ。それでニヤニヤしてるんだと思う。アリサちゃんのお兄さんに髪切ってもらってるけど、アリサちゃんのお兄さんはアリサちゃんの大事なものオクに出さないと思うよ?」


「あっ、そうなの。なるほど……」


「詳しくは知らないけどね……でも、アリサちゃんがそれでもかわいいって思うなら、わたしはアリサちゃんをオタイベに誘ってよかったと思うよ」

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