139 幽霊部員

(翌朝学校で有紗の描いたスケブを見せてもらうオタクちゃんこと真野と珍しく自信のないギャルちゃんこと有紗)


「初めてにしてはすごくスジがいいよ。可愛いもん。顔が小学生のころ見た少女漫画みたいでかわいい」


「つまり目が大きすぎる……?」


「わたしこういう絵好きだよ。自信持ちなよ。可愛いしオシャレな服じゃん。服のしわもちゃんと描いてあるし」


「そ、そう?! やったあ! 中学のとき、美術はわりと成績良かったんだけど、あたしのとこ美術部なくてさ」


「そっかあ〜。それは残念だったねえ」


「まあ……部活なんかやっても幽霊部員だったと思うよ。何かが長続きしたことないもん」


「そうかな。これお裁縫のアイディア出しにいいんじゃない? でっかいドールさんにお洋服作ってあげなよ」


「……アハ体験だ! マヤちゃんすごい! そうだね、いっぱい描いていっぱい型紙作っていっぱい縫おう! ふみちゃんはずきちゃんにも作ろう」


「おお……楽しくなってきた……!」


「それはそれとして消しゴムかけたあとの違和感な……。もっと上手くなれば気にならなくなるのかな。楽しくやろう」


「それはね……よほど上手くないとね……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る