135 氷山

(オタク雑誌のイラスト投稿コーナーをしみじみ眺めるギャルちゃんこと有紗とその様子を眺めるオタクちゃんこと真野)


「世の中には絵の上手い人がこんなにいるんだねえ……」


「こんなの氷山の一角だよ。中学のとき何も見ないで機動戦士描ける子いたよ。まあいまは捏造カップリングの人になってるけど……」


「それはもったいないねえ……で、絵描くのってどうやるの? なんか専門的な道具とかいる?」


「うーむ。プロの漫画家目指してた子はつけペンとか使ってたけど……ちょっと描くだけならミリペンで充分だよ」


「つけペン? ミリペン?」


「明日画材屋さん行ってみよう」


(翌日、錬金術ゲームでお菓子屋さんをしていると報告した日の夕方、小さな画材店に入る二人)


「ほえー……絵の道具がいっぱいだ……!!」


「これがつけペン。軸につけてインクに浸して描くやつ」


「あー! なんかテレビで漫画家のひとが使ってたやつ!」


「で、つけペンは難易度が高いので、オススメはミリペン。これね。太さが選べるし描き方次第でつけペンと遜色ないよ。使ってるプロもいるし」


「へえ……細い方がいいのかな?」


「二種類くらい買ってみよっか」

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