131 処分

(ワクワクして待つギャルちゃんこと有紗と部屋から数冊の大学ノートを出してくるオタクちゃんこと真野)


「うわっすごい量だ!! これ全部マヤちゃんの考えたあのゲームの続編?!」


「うん……だいぶ公式と解釈違うっぽいけど。くらやみのおうをシギくんたちが倒して、ミズハが海を解放したあとのお話……シギくんの子孫がくらやみのおうの力に汚染されて生まれてきて、っていうお話。我ながらすごいバカだよね……捏造設定をこんなに考えるなんて。捏造カップリングで盛り上がってたやつらと変わんない……」


「シナリオ書くひとになればいいじゃん」


「いやシナリオ書いてる人はプロだから……」


「そのプロを目指してみたら、ってことだよ」


「文章で才能発揮するって難しいんだよ……」


「そういうもんなの?」


「たぶんね……少なくともわたしには『空に昇る月星』みたいに、すごくスケールが大きいのにキャラクターの繊細な気持ちまで表現したお話は書けないよ」


「そっかあ〜。でもこれ大事にしなよ。マヤちゃんの好きだって気持ちが詰まってるんだからさ」


「そう言ってもらえると救われるよ……いつどうやって処分するか悩んでたんだ……」

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