122 戦国武将

(夕方に地元着の高速バスに揺られるオタクちゃんこと真野とギャルちゃんこと有紗)


「はあ……楽しかったスキー旅行も終わりかあ」


「そうだね……来年? いや今年の年末も行こうよ。うちの親とは別行動でさ。あんな豪華別荘には泊まれないかもしれないけど」


「温泉がとにかく最高だったね。あんまり疲れた感じしないもん」


「夏休みにただの湯治しにいく? あそこ夏は案外涼しくて快適だよ」


「それもいいかも。ご迷惑でなければだけど」


「大丈夫だよ。親戚のおじさんはあたしを孫みたいに可愛がってくれる人だし、お父さんのほうで唯一付き合いのある親戚だから我が家の情勢は把握したいだろうし」


「なんか戦国時代みたいだね……」


「戦国時代ウケるんだけど! あ、お兄ちゃんが最近トンデモな戦国時代のゲームやってて楽しそうなんだ」


「それどんなふうにトンデモなの?」


「戦国武将とか正直なとこよくわかんないけど、ザビエルが戦ってた」


「いや宣教師が戦ったらいかんでしょ」


「お兄ちゃんたぶん中古屋に売る気だろうからパクって二人でやる? あたし見てるからマヤちゃんやってよ」


「パクるのはどうかと……でも面白そうだね」

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