118 空中
(真剣勝負をしているうちにゆく年くる年が始まって勝負の手を止めるギャルちゃんこと有紗とオタクちゃんこと真野)
「なんか渋い番組始まったね……お寺だ。京都も雪って降るんだね」
「そうみたいだね……うちの学校、修学旅行は沖縄なんだっけか。ちょっと京都とか奈良に憧れるな」
「なんで? お寺よりは青い海青い空がいいじゃん。水族館もあるし」
「だって沖縄の修学旅行ってことは、集団自決した洞穴とか観るんだよ? こんな言い方しちゃ申し訳ないけど、なんか悲しいよ」
「ああそっかあ……おばあちゃんが京都とか奈良とかは戦争で焼けなかったって言ってた。古い建物がいっぱいあるからアメリカはそこを避けたんだって」
「あ、わたしの祖母もそう言ってた。わたしの祖母、奈良の女学校出てるのが自慢でさ、女学校の友達をちゃん付けで呼ぶの。おばあちゃん同士で」
「なにそれ超ウケるんだけど。女学校っていまでいう高校みたいな感じなのかな?」
「たぶんね。じゃあわたしたちも年寄りになってもちゃん付けで呼ぶ?」
「いいと思う。あ、あと1分で来年だ。年越しの瞬間は空中!」
「よ、よし!」
(ジャンプした瞬間日付けが変わる)
「あけおめ!」
「あ、あけおめ!」
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