117 カド

(夕飯を食べ終えすっかり満腹のオタクちゃんこと真野とギャルちゃんこと有紗)


「ねむ……だめだゆく年くる年観るんだ……」


「ねむいね……このまま寝ちゃいそう……」


「風邪ひいちゃうよ……お風呂入ればスッキリするかな。それとも逆に温まって寝ちゃうかな……そうだ、ドリップオンのコーヒー持ってきたんだ。飲めば目が覚めるかも」


「じゃあコーヒーとアイスしようよ! 夜はこれからだよ!」


「そうだね! 夜はこれから。そうだ、オセロでもして遊ぶ?」


「おお〜。準備万端じゃん! じゃああたしお湯沸かすね!」


(コーヒーとアイスを用意してオセロを始めるふたり)


「よろしくお願いします」


「よ、よろしくお願いします!」


(アイスを食べながら長考する有紗)


「……アリサちゃんさ、なんだかカッコいい」


「ただのなんも思いつかないやつだよ?」


「でもアリサちゃんが真面目な顔で難しいこと考えてるの初めて見たから」


(コーヒーを噴きそうになる有紗)


「キャラじゃないか。勝ち負けなんて大したことじゃないよね。気楽にやろ」


「あっチャンス到来」


「カドとられた! しかもめっちゃひっくり返った! 負けるじゃん!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る