111 潤う

(マスクシートを試すギャルちゃんこと有紗とオタクちゃんこと真野)


「おおお……めっちゃ浸透する……これはめっちゃ潤うやつだ……日光と寒さでカッサカサだったから……」


「これは気持ちいいね……快感だ……顔の皮が元気になる……」


「ところでさ、寝るときどうする? 主寝室に馬鹿でっかいクイーンサイズのベッドあるけど、別々がいい? あたしは一緒でも構わないけど」


「せっかくなら一緒でいいから一回クイーンサイズのベッドで寝てみたいな。ここ、ホントにバブルの遺産なんだね」


「なんの意味もなく『豪華!』って感じだよね。あたしら生まれてこのかた景気のいい時代って知らないから」


「そうだね……うちの母はバブルのころ高い化粧品買いまくったって言ってた。アリサちゃんは潤沢にお金あったら何買う?」


「そうだなあ……デパコスとか洋服とか……あ、一回ディスコとやらで踊り狂ってみたかった。ボディコンは嫌だけど」


「あー、小さいころ東京のディスコの映像見たことある。異様だったなあ」


「これからあたしらの人生にもああいう日がくるのかな」


「わかんないけど悲観的に見るよりは楽しいことを期待したほうがいいよね」

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