97 相棒

(イベントの朝、二人で貸し会議室を見上げるオタクちゃんこと真野とギャルちゃんこと有紗)


「きたね……」


「うん、きた……なんかすっごい自転車止まってるね」


「あー、この近辺のわたしみたいな輩が続々集まるからね……いこう」


「おう、相棒」


「よ、よし相棒(相棒て……)」


(イベント会場に入り、入口でサークル入場券を出してパンフをもらう二人)


「おお〜相棒の描いたパンダだあ」


「スペース、Cの5だったから……ここだ」

(スペースにテーブルクロスを広げて頒布物を並べるふたり)


「うわ」


「どうした相棒」


「向かいのサークル、Bの5。中学のやつらだ。相変わらず捏造カプで頑張ってる」


「おーどっちが先にはけるか勝負だ!」


「いや、そういうのじゃないから……それに相手は流行ジャンルの同人誌だからね、勝負にならないよ……」


「あ、隣の方、すっごいリアルなドールさん連れてきてらっしゃるよ。超イケメンだ!」


(隣のサークルの社会人から名刺をもらうふたり)


「相棒、切り替えが早いよ。あ、あとでサイトにお邪魔します……(アリサちゃんふつうに敬語言えるんだ……)」


「よーし。気合い入れていくぞ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る