98 仲間

(一般参加の入場が始まり緊張の面持ちのオタクちゃんこと真野とわりと気楽そうなギャルちゃんこと有紗)


「うう……人いっぱいきた……」


「おーすげー……これみんな相棒の仲間?」


「恐らくは。みんなそれぞれ好きなジャンルとか愛で方とかは違うけど……」


「へえ……そっか。ここに来てればみんなそうか。あたしも仲間か」


「まあ……ドールさん可愛がってたらね……あ、あみぐるみは一つ五百円です」


(ピンクのパンダの代金を受け取り、手早く用意した紙袋に入れる真野)


「おお〜。すごいじゃん相棒」


(中学生くらいの女の子が有紗の浴衣を見ている)


「あ、触ってみますか? わりといい生地使って作ったんですよ。ヒモもついてるので伊達締めと帯があれば……ありがとうございます!」


(代金を受け取り紙袋に浴衣を入れる有紗)


「すごいよ相棒! 生地代元が取れたんじゃない?!」


「うん、とりあえず生地代は! すごい、自分の作ったものが売れていく……これで思い残すことなく美容師の専門学校行けるよ!!」


「気が早いよ。わたしらまだ十六だよ」


「そうだった。同人誌即売会、楽しいね!」


「うん! 心配したのがバカみたい」

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